題名:ピザをこねる手
報告者:トシ
ピザの歴史はパンの歴史にも通じる。どちらも代表的な小麦粉を使った料理であるが、かの地イタリアではピザ用の小麦として、GRANO PER FARINA DA PIZZAなる種があり(それでもって、ピザ専用に精製された小麦粉ならば、サッコブルー・ピッツェリアなどがある)、パン用の小麦として、GRANO PASTA DA PANEなる種があるくらいに、ともに相当のこだわりが存在する。
ここで、ピザの歴史を紐解くと、報告書のNo.749でも報告した、イタリア半島の西方の南地中海に位置するイタリア領の島、サルデーニャ島では、3000年以上前に酵母を使ったパンが作られ、さらに、古代ギリシアでは平らなパンが作られている1)。その作り方から類推すると、それがやはり、ピザ生地の原型ともなる一種の形へのこだわりになるのかもしれない。そのため、小麦粉を、こねて、こねて、さらに、まあーるくして、さらに、それを引き延ばーす、そのピザ生地作成の過程は、ピザ料理を代表とする小麦粉の料理の醍醐味の一つでもあろう。その過程において、必ずと言っていいほど、手にはどうしても小麦粉が付着する。図にその時の様子を示す。このように図でみると、汚れているかのようにみえる。しかしながら、この手に付着する小麦粉は、汚れというよりも、手全体からぷーんと漂う小麦の香りに、「ピザって小麦を使った最高の料理法の一つだなぁ」と感心せずにはいられない。その時は、太古のピザ作りにも想いを馳せるとともに、ピザをこねる手には、何かしらの愛情を感じずにはいられない。少な
図 ピザをこねる手2)
くとも、図のこの手からは、職人魂が感じられる。
手からの印象として、特に、「女が惹かれる男のポイント」2)の一つに、手があげられている。文献2)によれば、働き者としての手には、それ相応の魅力が高く、ゴツくて生傷があったりして、グリースが完全に落ちてないような手には、女性は惹かれるようである2)。また、これと同じように、図のようなピザをこねる職人の手にも同じように惹かれることは、容易に推測できる。
こうしてみると、どのようにテクノロジーが発達しようとも、手で繰り出される技には、人間が持つ根源的な魅力が秘められていることが何となく予想できる。ここでは、カタカタとキーボードを打ち、文章をしたためるも、時には手でもって小麦粉と戯れるのも、人間的な魅力を引き出すために、重要な要素になるのかもしれないと感じずにはいられなかった。そうすると、もてるかもしれない(笑)。
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ピザの歴史 (閲覧2018.8.22)
2) https://www.scattidigusto.it/2011/11/10/lezioni-di-pizza-le-tre-farine-migliori-per-farla-a-casa/ (閲覧2018.8.22)
3) https://gch.hatenablog.com/entry/men-of-my-type (閲覧2018.8.22)