題名:手作りイチゴジャムにおける砂糖の割合
報告者:エコノ
ジャムの代名詞とも言えるのが、イチゴジャムである。イチゴの赤さと、砂糖の甘さが、見栄えと味の両方を引き立たせ、ジャムとして多大なる風格をも漂わせている。イチゴの他にも、オレンジ、リンゴ、キーウィなどの果物もあり、同じベリー系ではブルーベリーやラズベリーなどもあるが、イチゴはそれらの中でも別格の扱いである。例えば、ここで、手作りジャムの専門書である「おいしいジャムのつくりかた」を覗いてみよう。表紙はもちろんイチゴジャムである。さらに、ページをめくると、筆頭にイチゴジャムのつくりかたがあり、かつ、ページ数やバリエーションにおいても、イチゴジャムは他を圧倒している。図に「おいしいジャムのつくりかた」の表紙を示す。やはり、ジャムと言えば、イチゴであることが類推される。
そのイチゴジャムは、ジャムの中でも扱いは別格ではあるが、こと手作りにおいては、それほどの手間がかからないジャムでもある。手作りの工程を端的に言えば、イチゴを洗って、ヘタを取り、砂糖と煮詰める、それだけである。皮をむくなどの手間もなく、その工程の手軽さもまた
図 「おいしいジャムのつくりかた」の表紙1)
イチゴジャムの魅力でもある。
専門書の「おいしいジャムのつくりかた」では、イチゴ300gに対して、グラニュー糖180gを使用する。イチゴに対して、60%の割合である。ただし、これは「おいしいジャムのつくりかた」の一例であり、手作りのイチゴジャムにこだわる人は、イチゴと砂糖の分量に、経験に基づくそれぞれ独自の考えがあるに違いない。少なくとも、筆者は市販の甘すぎるようなイチゴジャムは、イチゴのよさが生かされていないようにも感じられるため、甘さが控えめ、かつ、ほどよい甘さが、イチゴジャムに堂々たる品格を備えさせると主観的に感じている。特に、イチゴの品質が良いほど、変に砂糖の甘さでごまかすよりも、よりイチゴの美味しさを全面に際立たせるようなジャム感が、イチゴジャムにはぴったりとなるであろう。そこで、各家庭で作られている手作りイチゴジャムのイチゴに対する砂糖の割合について調べると(*)、下の表のようになった。ただし、イチゴ1パックは250gと設定した。
表 イチゴに対する砂糖の割合
この表から、先の60%よりもイチゴに対する砂糖の割合が少なかった。また、この割合について平均をとると34.1%となった。さらに、この5つのレシピ以外に、砂糖の割合として30%とする意見も散見され、手作りイチゴジャムとしてイチゴの美味しさを際立たせるには、砂糖の割合がやや少なめの方がより好ましいことが示唆された。
* : Cookpad(http://cookpad.com/)により、5月9日に”イチゴジャム”にて検索した上位からの5つのレシピに基づく
1) https://www.amazon.co.jp/おいしいジャムのつくりかた-飯田-順子-ebook/dp/B008OCKB1Y (閲覧2016.5.9)