題名:シュークリームという日常に即したスイーツ
報告者:エコノ
スイーツのシュークリームを、知らない人はいないであろう。多くのスイーツの中でも相当に有名なほうであるに違いない。通常のケーキ、例えばモンブランなどはスーパーのお菓子コーナーにはあまり置いてないものの、シュークリームであれば、ベビーシュークリームに代表されるようにお菓子コーナーにも散見される。通常のシュークリームも今では乳製品コーナーにあったりする(最近はモンブランもあるが)。そのことから、シュークリームは、スイーツの中ではもはや日常に即したスイーツとも言える(ただし、ネット販売のベビーシュークリームやシュークリームは、一般スーパーのそれよりも、お店なりのこだわりはあるであろう)。
一方、シュークリームの名はすでに一般的となったが、その名は和製外来語であることもしばし問いただされる。日本でいうシュークリームは、スイーツのことを指すが、英語圏では靴を磨くためのクリームとされ、意味がまったく異なる。ちなみに、英語圏でのシュークリームは、クリームパフ(cream puff)と称され、フランスではシュー・ア・ラ・クレーム(chou à la crème)となる1)。このことから、フランスのシュー・ア・ラ・クレームが簡略化され、シュークリームとなったことが推測される。ただし、日本のシュークリームは、クリームパフやシュー・ア・ラ・クレームとも微妙に異なるようで、日本でアレンジされ、現在に至る2)。
このように、日常に即したスイーツで、かつ、日本で様々なアレンジを経て今日の地位を築いたシュークリームであるために、簡単に作れると錯覚してしまうこともしばしばである。しかしながら、シュークリームはその作り方が思ったよりも難しい。特にシュー生地に関して、うまく膨らまないことがある。そこで、シュー生地の作用をよく知ることが必要となる。シュー生地が膨らむ理由には2つあり、①生地の粘り、②生地の水分の作用に基づく。シュー生地の原料の最適な配分などは、文献3)などシュークリームに関する専門書を紐解いていただきたいが、先ほどの2つの作用を、原料を混ぜ合わせた段階から、焼くまでの段階として詳細にコツを調べると、次のようになるであろう4), 5), 6)。
焼く前の小麦粉の生地を練る。この練り加減が小麦粉でんぷんの糊化を決める。しかしながら、小麦粉でんぷんの湖化温度はかなり高いので、温度が高いうちに混ぜてしまわなければならない。ただし、混ぜすぎると逆に小麦のグルテンが多くなるので、出来上がりが固くなることから注意が必要である。そのため、生地を適度なペースト状に保つことが第一のコツである。このペースト状の生地には、原料による適度な水分が含まれている。生地を絞り出したものをオーブン皿に並べてオーブンで焼くと、生地内の水分が水蒸気となって生地を膨らませる。生地の表面はオーブンの熱で焼き固まる。これが、ちょうど風船のように、内側から均等な水蒸気による圧力がかかることで、丸い形状のシュー生地となる。そのため、水分がしっかり蒸発してくれることが重要で、膨らんでいる途中は、オーブンを開けてはならない。これが第二のコツである。
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/シュークリーム (閲覧2016.12.13)
2) http://france-okashi.com/story/cream-puff.html (閲覧2016.12.13)
3) 世界文化社(編):一流シェフのとっておきシュークリーム. 世界文化社. 2005.
4) http://www.cooking.seikatu001.com/category2/category7/entry24.html (閲覧2016.12.13)
5) http://blog.goo.ne.jp/peko910/e/ced4c5695f55bae25640ed5ff0996f80 (閲覧2016.12.13)
6) http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1156022716 (閲覧2016.12.13)