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題名:幸せをかなえるたったひとつの方法
報告者:ダレナン

 現在までに報告書のNo.194やNo.112などにおいて、幸せになる方法について様々な思索を検討してきた。さらに、この報告書は、No.331に基づいてフィボナッチ数列を満たすものとして、ひとつの方法と表題を付けることにした。そのため、一見して非常に分かりやすい表題となったに違いない。あえて、ひらがなも多用し、表題全体にやわらかさをも表現した次第である。その理由は、幸せをかなえるたったひとつの方法が明らかに理解できたからである。これも、天才であろう(に違いない)小説家である水野敬也氏の「夢をかなえるゾウ」を読んだことに、単純に由来する。
 「夢をかなえるゾウ」には、インドの神様であるガネーシャ様が登場する。ガネーシャ様は、太鼓腹の人間の身体に片方の牙の折れた象の頭をもった神で、4本の腕をもち、当インドでは利益をもたらすことから、富の神様、あるいは、障害を取り去り、財産をもたらすことから、事業と商業の神・学問の神とされる1)。当インドでのお姿は、文献1)を参照して頂きたいが、ここでは、水野敬也氏の「夢をかなえるゾウ」に登場するガネーシャ様の図をあえて示す。実に愛らしい。報告書のNo.330にてみうらじゅん氏による「ゆるキャラ」なる名称も報告されていたが、ガネーシャ様は、間違いなく神様の中では「ゆるキャラ」トップ・オブ・トップに違いないと推測できるお姿でもある。それゆえに、神様にしては、実にとっつきやすい雰囲気を醸し出している。水野敬也氏も、そのようなガネーシャ様に、

1.関西弁でしゃべる
2.あんみつが好きである
3.かなりテキトーである

なる分かりやすいキャラクターの側面を与えた。このキャラクターが実に巧妙である。

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図 ガネーシャ様2)

 本としては、その内容から、一応自己啓発本として分類されるのかもしれない。しかしながら、「夢をかなえるゾウ」はファンタジー小説としても十分に通用する。一般的な良質なファンタジー小説、例えば、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」などは、その本の特徴ゆえに主人公になりきり、世界に没頭し、読後は自分が成長したかのように思える。しかしながら、「夢をかなえるゾウ」は、主人公ではないが、日常生活でガネーシャ様がすぐそばにいるかのごとく、あるいは、
「こころに、ガネーシャ様がやどる」
がごとく、錯覚を起こす。言い換えると、これはすなわち、自らの「幸せをかなえるたったひとつの方法」ではないか、と勘違いできるのである。ガネーシャ様曰く「ちんけな自分に、ようやどらんわ」というてはるかもしれないが、少なくともこの本の読後の幸せ感は、あるいは、自分が成長した感は、一級の良質ファンタジー小説となんら変わりはない。実に名著である。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ガネーシャ (閲覧2016.11.15)
2) https://twitter.com/ganesha_yumezo (閲覧2016.11.15)



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