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題名:死にたくはない。でも、消えたくなる意識。
報告者:ゴンベ

 人の命は人生の様々な場面で揺り動く。特に、その場面が当事者にとって苛酷な、心理的に100%占める割合の辛辣なものであれば、それから受ける影響は、その人のその後の人生の岐路に多大な選択肢を与える。
 どのような人であれ、そのような場面に出くわすと、その本質は死にたいという意識よりも、自分の人生をここで終わらせたいと願う。死ぬというよりも、自分がこの世から消えたいという意識である。実際に、生物的に死を選択はできない。ただし、人という文化を含めた人的には、ここで人生を終わらせたいと感じることもありうる。その最たる選択肢が自決である。

 それは逃げていることになるのか。
 それは逃げていることにならないのか。

誰もその答えは分からない。ただの一つの選択肢でもある。
 生物的にはできれば避けたいと個々の細胞が願う。でも、それは人的には当事者にもなんともならない。ただ、ただ、現実から消えたいという意識が、自身を、自身から、自身でもって、密かに脳内の意識に歩み寄る。そこで得られる答えは、自身の将来にも分からない。
 ただし、である。
 事が起こった後では、もはや元にはもどれないことも意識的に理解できる。決して、Homeには戻れない。
 そのような、非常に感傷的な内容をアーチストのSymlは、とてもうまく伝えている。Symlの「Where’s My Love」1)は誰にでも起こりえないが、誰にでも起こりえる状況を、

Did she run away?
Did she run away? I don’t know
If she ran away
If she ran away, come back home
Just come home

Did you run away?
Did you run away? I don’t need to know
If you ran away
If you ran away, come back home
Just come home

と詩う2)。これは誰にでも起こりえない。しかしながら、誰にでも起こりえる。

1) https://www.youtube.com/watch?v=goWa6EzkCh4 (閲覧2017.8.20)
2) https://genius.com/Syml-wheres-my-love-lyrics (閲覧2017.8.20)



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