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題名:うなぎ塗料ってなんだろう?
報告者:ちょろりん

 近年の研究から、うなぎの生態が明らかになりつつある。特に、うなぎの産卵場の謎は、古代ギリシャのアリストテレスを悩ませたとされ1)、身近な存在であるにも関わらず、根本的な部分での生態が明らかではなかった。しかしながら、東京大学海洋研究所(現東京大学大気海洋研究所)と水産総合研究センターとの共同研究により、東アジア全体に広く分布するニホンウナギに関する産卵場が、西マリアナ海嶺南端部に位置し、タイミングは新月期であったことが発見され1)、ここにきてようやくニホンウナギのウナギ産卵場の謎が完全に解明された。なお、成体と新しく孵化した幼体が捕獲された深さは、150-200mの浅い層であったことも確認された2)。この発見は、まさに、技術力と科学力および科学者の協力の賜物でもあろう。その正式な発見に関する論文が文献2)にあるので、興味のある方は見ていただければ幸いである。一方、アメリカうなぎも、近年になってようやくその回泳経路の追跡に成功したばかりである3)。意外と奥が深いうなぎの世界である。
 一方、うなぎと言えば、なんとなく思い浮かぶお菓子がある。それが静岡県の浜松のうなぎパイである。うなぎパイは、もはや有名なお菓子であり、うなぎの生態の解明よりも、一早く世に広まった(明らかとなった)ことになろうか。さらに、このうなぎパイは、夜のお菓子としても有名である。ただし、その夜のお菓子としての理由は、文献4)にもあるように、精力増強のうなぎではなく、「一家だんらんのひとときをうなぎパイで過ごしてほしい」との願いから生まれている。この辺は、誤解も多いかもしれない。筆者も明らかに誤解していた。しかしながら、この誤解が、うなぎパイの購買にも火をつけたことは、うなぎパイの製造元である春華堂にとっては、朗報とも言えるのかもしれない。
 うなぎパイの他に、うなぎとの組み合わせとして、こちらはなかなか思い浮かばないであろうものが、表題のうなぎ塗料である。業界の方ならば、もしかして有名な塗料なのかもしれないが、そこは門外漢の筆者ゆえに、知らなかったと正直に伝えたい。うなぎパイは、うなぎのエキスをパイ生地に練りこんで焼き、最後に蒲焼のようにたれを塗って仕上げたお菓子である4)。では、うなぎ塗料は…?、である。
 そこで調べてみた。うなぎ塗料は、船舶塗料のイノベーターである日本ペイントマリン株式会社の製品であり、正確にはうなぎ塗料一番という製品名である。そこで、日本ペイントマリン株式会社のHPを覗くと、船底塗料に使うことが判明し、図があった。

えっ、これ、うなちゃん。うなちゃんじゃないの~。

図 うなぎ塗料一番5)

と、はしゃいだ。ただし、うなぎのエキスの混入については、依然として不明だじょーーー。

1) http://www.aori.u-tokyo.ac.jp/research/news/2011/files/unagi20110202.pdf (閲覧2018.10.10)
2) Tsukamoto, K., et al.: Oceanic spawning ecology of freshwater eels in the western North Pacific. Nature Communications 2: 179, DOI: 10.1038/ncomms1174, 2011.
3) Béguer-Pon, M., et al.: Direct observations of American eels migrating across the continental shelf to the Sargasso Sea. Nature Communications 6: 8705, DOI: 10.1038/ncomms9705, 2015.
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/うなぎパイ(閲覧2018.10.10)
5) http://www.nippe-marine.co.jp/products/(閲覧2018.10.10)



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