題名:電子レンジの仕組み
報告者:ログ
電子レンジはとても便利である。冷めたものを、「チン」するだけで温かくなる。しかしながら、その庫内では、再度焼く訳でもなく、再度火であぶる訳でもない。「チン」するだけで、温かくなるのである。その仕組みは、今となっては多くの人が知るところでもあるが、その温かくなる仕組みには、マイクロ波なるものの存在がある。そこで本報告書では、電子レンジの仕組みを探り、マイクロ波の正体について調査する。
電子レンジは、英語ではMicrowave Oven(マイクロウェーブ・オーブン)といい、これを訳するとマイクロ波オーブンとなる1)。すなわち、英語圏での電子レンジは、マイクロ波によるもの、と明記される。
電子レンジの元となる仕組みは、1945年ごろ米国のレイセオン社のパーシー・スペンサによるレーダー研究の副産物として発明された2)。そのきっかけは、マグネトロン(磁電管)の前に立ったスペンサのポケットの中のチョコバーが溶けていたことにあり、この現象が調理に使う着想につながったとされる1)。さらに、1947年に同じくレイセオン社から電子レンジの特許が申請され、1950年に米国特許2526226を取得した3)。その当時の電子レンジの仕組みは、特許から図に示すようなものである。その基本原理は、5がマグネトロンであり、そこから10のインダクタ(電気エネルギーを磁気の形で蓄えることができる受動電子部品5))を介してマイクロ波が放射され、2の食品が温かくなるというものである4)。ちなみに、4がドア、17がライトのようである4)。この基本原理は、現在の電子レンジと著しい違いはないが、このサイズをより小型化することに成功したのが、当時の日本のメーカーの技術力の賜物とされる1)。
図 米国特許2526226の図3)
次に、マイクロ波と食品の間に何が起きたのかを調べると、マイクロ波は温めたい物の水分子を振動させる、それによって摩擦熱が生じさせ、結果として食品が加熱されることが電子レンジの仕組みである6)。これを、より詳細に説明すると、マイクロ波によって時間変化した電界変化によって、水分子が振動し、水分子(正確には水分子団)同士の摩擦熱によって発熱が生じる6)。その発熱が、食品を温めるきっかけをもたらしている。ちなみに、日本では2.45GHzという周波数の電磁波が電子レンジで用いられているが6)、この2.45GHzの電磁波が、マイクロ波と称されるものの正体である。また、そのマイクロ波を発生させる部品が前述したマグネトロンである。トランスフォーマーのサイバトロンと似ているので、若干覚えやすいかもしれない。
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/電子レンジ (閲覧2016.11.10)
2) http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/ouyou/kadenn/renge/renge.htm (閲覧2016.11.10)
3) http://www.geocities.jp/hiroyuki0620785/ouyou/kadenn/renge/rengefirst.htm (閲覧2016.11.10)
4) http://www.google.ch/patents/US2526226 (閲覧2016.11.10)
5) http://www.murata.com/ja-jp/products/emiconfun/inductor/2010/12/15/en-20101215-p1 (閲覧2016.11.10)
6) http://abcdefg.jpn.org/elebunkai/magnetron/cc.html (閲覧2016.11.10)