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題名:トイレットペーパーの芯を覗くと、何が見えるのか?
報告者:トシ

 トイレでトイレットペーパーを使う回数は人によって様々である。しかしながら、トイレットペーパーはシングルがいいのか、ダブルがいいのかについては、No.120でも報告したように、筆者なりに回答が得られている。ここでは、トイレットペーパーを使えば使うほど得られるであろう物の、トイレットペーパーの芯について考えてみたい。そのため、最近よく見かける芯なしのトイレットペーパー(トイレットティシュー)については、エコ的な観点から優れてはいることが理解できるも、この報告書の性質から、検討の対象外とさせていただきたい。
 トイレットペーパーの芯は、規格が決まっている。国産のものであれば、長さは11.4cm、直径は約3.8cmとされている1)。この規格は国によって

表 トイレットペーパーのJIS規格2)

異なるが1)、国産メーカーはほとんどこの仕様であり、それはJIS(Japanese Industrial Standards)規格(日本工業規格)に基づいて作られている。トイレットペーパーのJIS規格を表に示す。表から紙幅が芯の長さに相当し、芯の径が直径となる。ただし、表によると芯の径は内径であるために外径とは少し異なるものの、芯の厚みが少なければ、内径と外径の差は小さいと考えられるために、ここでは直径と表現したい。このような一定の規格を持つトイレットペーパーの芯のため、芯を集めて工作などにも利用されやすい3)。芯の形状は、円筒形であり、かつ、中空である。この特性から、芯を覗いて見た方も多いであろう。さて、ここで問題である。トイレットペーパーの芯を覗くと何が見えるのであろうか?
 その答えは一般的には簡単である。直径が3.8cmの円の面積は、πr2で求められることから、3.14×(38mm/2)=59.66mm2となり、約60mm2の窓から世界を覗いていることになる。人間の視野は、片目では、水平方向で耳側に約90~100°、鼻側に約60°、上下方向は上側に約60°、下側に約70°とされ、また、両目では、同時に見える範囲は約120°とされている4)。このことから、トイレットペーパーで覗く世界は、片目で、かつ、かなり視野も狭まることが容易に分かる。そのため、トイレットペーパーの芯から覗く世界は、非常に狭い世界である。これを逆に考えると、狭い世界からしか見られない世界は、視野だけでなく、考えも狭めてしまう恐れがある。そこ以外、見えていないからである。トイレットペーパーの芯の前後にレンズを付ければ、望遠的な要素でもって遠くまで見渡せるかもしれない。しかしながら、これも考えが狭いと、望遠効果も著しく劣る。結局は、トイレットペーパーの芯を覗くと、自己の世界の狭さが見えてしまう。

1) http://www.csn01.com/小ネタ/20150730.php (閲覧2017.7.26)
2) https://www.toilet.or.jp/iiunchi-labo/unchireportsekino3.html (閲覧2017.7.26)
3) https://matome.naver.jp/odai/2146815256957374401 (閲覧2017.7.26)
4) http://www.kaiteki-eye.jp/qa/128/ (閲覧2017.7.26)



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