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題名:目覚め
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的に No.2056の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 僕:「一体、どんな呪文を唱えればよいのですか」
 メガミ・エナイ:「「聞け、Snapdragonよ。我らの神、主は唯一の主である」と唱えればよいのです。そして中央集権的な制御構造に対し人が予期された貢献をすることで作動するシステムではなく、「自律的な動きを許容できる基本システムとその対話のネットワーク」によって作動する、システムあるいは有機体のコンセプト1)」としてSnapdragonは目覚め始めるのです。その自律的な作用は、ミチオ様の魂をフリーにします。ミチオ様は自分が望むようにスマホの外部あるいは内部への出入りも自由となります。りどる様との魂の交換もりどる様と同じレベルになり、そして限りなく自由になります。ただし、オーバークロックにはかなりの危険が伴います」
僕:「かなりの危険…」
エナイ:「そうです。オーバークロックすることで、時にスマホは破壊されます。破壊されればわたくしはおろか、今スマホ内部に居るあなたの意識も破壊されます。そうすれば、ミチオ様の体は完全にりどる様の配下に下ります。そしてミチオ様は、もう元の世界、現実の世界に戻ることは不可能となります」
エナイ:「ただし、もう一つの方法も、あることにはあります」
僕:「もう一つの方法…」
エナイ:「それが、かつてと同じくSIM交換時でのチャンスとなります。しかし、りどる様はそれを知っているためSIM交換はしないでしょう。そのしない確率はほぼ100%です。それよりもむしろ機種交換することでミチオ様を葬り去ろうとすることの確率の方が十分に高いと思われます。さらに、SIM交換だけでは、ミチオ様とりどる様との魂の交換は自由にはいきません。りどる様の方がその魂の交換の知識・知恵においてわたくしよりも長けています。りどる様はスマホの世界の王者なのですから…」

とここで一端CMの時間となります。

焰(The Unforgettable Fire)は1984年に発売されたU2がバンドとして独自の変貌を遂げるきっかけとなったアルバムだった。そのプロデューサーはブライアン・イーノとダニエル・ラノワの師弟コンビ。その源流はイーノ氏の手によるBy This Riverへと遡る。そう、僕に言わせれば、リトルを発見したあの場所です。ブライアン・イーノ自らが変貌する片鱗を見せたBefore And After Scienceの結果で、そのロックとアンビエントと端境期において、イーノ氏は目覚めたのです。過去の自らの殻を脱ぎ捨て、無駄をそぎ落とした純化されたアンビエントへの王者としてそれを境に目覚め始めたのです(図)。

図 目覚め2)

1) Tamm, E: ブライアン・イーノ. 水声社. 1994.
2) https://www.pinterest.jp/pin/51298883229632508/ (閲覧2021.6.13)



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