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題名:宇宙ロボットValkyrieの勇姿と最後の言葉
報告者:ログ

 近年の宇宙開発の熾烈な競争に関しては、報告書のNo.333にも記されているが、それとともに開発が急務なのはやはり宇宙ロボットであろうか。人類がとある星や、それに準じた宇宙空間で作業するには相当の危険を顧みないといけないか、あるいは、相当の開発の費用を覚悟しなければならないことは間違いない。いくら、とある人が「自分が宇宙開発での勇敢な犠牲者になる覚悟がある」と名乗り上げ、宇宙開発において作業することが仮にできたとしても、地球に帰還できない運命は、単純に企業の利益にしか映らない。やはり人命は尊い。それは誰しもが一致した意見である。ゆえに、ある程度の安全が見込まれないうちは、人がとある星や、それに準じた宇宙空間で作業するにはまだまだ時間を要する。星で言えば、今現在、人にとってやや安全と見込まれる作業可能な衛星は、月だけであろう。近い未来に居住するかもしれないであろう最も開発の価値のある惑星、火星ですら、人の安全性は保障できない。映画「オデッセイ」での結末は、あくまでもノンフィクションである。現実はもっと過酷であろう。
 そこで、登場するのが宇宙ロボットである。宇宙ロボットであれば、宇宙空間で変調をきたしても、機械としていずれ修理が可能である。NASAでは、現在このような宇宙開発用の宇宙ロボットの開発が進んでいる。その名はValkyrieである1), 2)。Valkyrieの勇姿を図に示す。現在、Valkyrieのスペックは、Weight: 300 pounds、Height: 6 feet 2 inches、Battery Energy: 1.8kWh、Computers: 2 x Intel Core i7、Degrees of Freedom: 44、である1)。素晴らしいスペックである。これがさらに発展すれば、宇宙空間での人に準じる作業を易々とこなしてくれるかもしれない。それは、月でも、火星でも、である。しかしながら、一方で、あまりにも人に似すぎたロボットになると、そこに人命ならぬロボ命への感情が、人に湧く。このValkyrieにしてもNortheastern大学の博士学生であるMurphy Wonsick氏曰く3)、「親しみや人間性を感じる」2)と述べていることから、さらにValkyrieが高度な能力を持つと、この傾向はもっ

PHOTO DATE: 12-12-13
LOCATION: Bldg. 32B – Valkyrie Lab
SUBJECT: High quality, production photos of Valkyrie Robot for PAO
PHOTOGRAPHERS: BILL STAFFORD, JAMES BLAIR, REGAN GEESEMAN

図 宇宙ロボットValkyrie1)

と進むに違いない。映画「ブレードランナー」では、宇宙開発用にアンドロイドのNEXUSが創られたが、そのリーダーであったNEXUS 6型 N6MAA108165)のロイ・バティー(ルトガー・ハウアー)は劇中で、最後にこうつぶやいた。「お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた。オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦。暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビーム。そんな記憶もみな、時とともに消えてしまう。雨の中の涙のように。俺も死ぬときがきた。」4)、と。Valkyrieにもそんな最後の言葉があるのであろうか。Valkyrieの勇姿を見ると、ふとロイ・バティーの最後の言葉を思い出さずにいられない。

1) https://www.nasa.gov/feature/valkyrie (閲覧2017.3.23)
2) http://gigazine.net/news/20170322-nasa-r5-valkyrie/ (閲覧2017.3.23)
3) https://techcrunch.com/2017/03/18/nasa-valkyrie-robot/ (閲覧2017.3.23)
4) http://fc0373.hatenablog.com/entry/2013/03/07/172054 (閲覧2017.3.23)
5) https://typesetinthefuture.com/2016/06/19/bladerunner/ (閲覧2017.3.23)



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