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題名:イチョウの葉の形状の解析
報告者:エゲンスキー

 本報告書は、基本的にNo.343の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 報告書のNo.343にて、フィボナッチ数列と黄金比の関係について報告があった。そこで、ここでは、イチョウの葉を取り上げ、自然界に潜んでいる黄金比の一例として、イチョウの葉の形状の解析から黄金比の謎に迫りたい。
 秋になると多くの街路樹から落ち葉が舞い散るが、イチョウもその一つである。特にイチョウの葉は秋になると黄色く色づくだけでなく、扇形のその特異な形状から、小さな黄色の扇が舞い散っているような錯覚さえも起こすこともある。典型的なイチョウの葉を図の左に示す。特異な形状であることから、これをイチョウの葉以外であると間違える人はいないであろう。ここで、この葉をよく見てもらいたい。気がつく点が一つあるかと思う。それは茎からある一定の方向に沿って、葉が開いているということである。そこで、その方向に沿

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図 イチョウの葉

って図の右のように実線を加え、その角度を厳密に測定すると、137.78度となる。さらに、この角度は扇形の中心角に相当することから、完全な円の角度である360度から除算すると、360-137.78=222.22度となり、イチョウの葉は、137.78度と、222.22度で区分されていることが分かる。次にこの角度を互いに除算すると、

222.22/137.78=1.6128610828857…

となる。この解の1.612…はNo.343にも示された黄金比 φ=1.618とわずかな差はあるも、黄金比に近似していることが明らかである。正確には、直線の比ではないため、これを黄金比とは言わずに、黄金角1), 2)と呼ぶこともあるが、この例にもれず、自然界にはこのような黄金比が多く潜んでいるのである。その他の例は、文献1), 2)に詳しく記載されているが、このようにして黄金比には魅力的な謎が秘められている。

1) オルセン, S.: 黄金比. 創元社. 2009.
2) ポザマンティエ, AS, レーマン, I: 不思議な数列 フィボナッチの秘密. 日経BP社. 2010.



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