題名:フィボナッチ数列と黄金比の関係
報告者:ダレナン
本報告書は、基本的にNo.331の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
報告書のNo.331にて、近年の「なになにをなんとかする5つの方法」などのブログやサイトのタイトルについて考察するとともに、そこに示される数字として、3、5、8がベストであるとの筆者の個人的な考えを提示した。その考えの根底には、フィボナッチ数列、これをあえて言い換えると、レオナルド・ダ・ピサ(通称レオナルド・フィボナッチ)1)が見出した数の秘密に、大いなる法則があるからである。
実は、フィボナッチはフィボナッチ数列のみを見出した人ではない。近代の算術の礎となる「算法の書」において西洋で初めて十進数の表記に触れ2)、数学者として避けては通れない人である。その業績の一部として、フィボナッチ数列が存在する。フィボナッチ数列とは、
0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, 144, 233, 377,…
との数列である。これ見れば分かるが、隣り合う数字を足し合わせたものが、次の数となる数列である。例えば、1+1=2, 1+2=3, 3+5=8,…のように、これを繰り返すことで、この数列が出来上がることが分かるであろうか。この数列を考え出した著明なきっかけには、ウサギ問題がある。1つのつがいの子ウサギが1カ月で成長して子を産める親ウサギからの計算を推定すると、このような数の値となり、この値の列が俗に「フィボナッチ数列」と呼ばれるものに発展する。ただし、この数列の特筆すべき点は、これだけではない。例えば、隣り合う二つの数字の比をとると、
13/8=1.625 55/34=1.6176…. 144/89=1.6179…
と計算されるが、これを繰り返すとある値に近づくのである。それが、
φ = 1.6180339887498948482045868343656…
である2)。この数字は何かと言うと、黄金比と呼ばれる数字であり、報告書のNo.6を始めとして、多くショの報告書にも既述されるように、美しさの基準ともなる比である。さらに、ペレトリア大学のJan Boeyens博士ら3)が報告したように、地球のみならず、宇宙に至るまであらゆる物や現象の中にこの黄金比が潜んでいることが明らかにされている。このことから、フィボナッチが発見した数列やそれに基づく比は、実は自然界から見ても疑いようのない、さらにはヒトの無意識に埋め込められた数でもありうるのである。
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/レオナルド・フィボナッチ (閲覧2016.11.12)
2) ポザマンティエ, AS, レーマン, I: 不思議な数列 フィボナッチの秘密. 日経BP社. 2010.
3) Boeyens, J., Thackeray, F.: Number theory and the unity of science. South African Journal of Science 110:5-6, 2014.