題名:大きくなる太陽の理由
報告者:ナンカイン
太陽は現在で46億歳である。その寿命は100億歳とされ1)、人で例えると、今ちょうど中年ぐらいであろうか。そのため、現在はまだ肉眼でははっきりとは見えないが、中年のお腹の如く太陽も膨張し始めている。50億歳までは今の体型を保てるが、それを過ぎるとどんどんと太り始め、やがてガスを放出して星雲となり、恒星としての一生を終える。最後には矮星となり、中心部に残り火がくずぶった状態(中心核)が冷え始め3)、やがて死ぬ。それを図に示す。億歳という途方もない年月のため、理解しがたい現象でもあるが、ある意味、焼き肉の際の炭火と同じような現象でもあろう(No.13を参照)。炭火の場合には、炭に目立つほどの膨張は確認できないが、火をつけ、赤々と燃え盛り、そのタイミングを見計らって肉をジュウジュウと焼き、食べる。すると、膨張するのは炭ではなく人のお腹となる。焼き終えた後の炭火の方は、やがて小さくなって白い灰となり、火が消える。そのころには、お腹は満足で相当に膨張している。
どのようなことでも始まりがあって終わりがある。星も人も、あるいは炭も同じである。かかる年月が異なるだけである(太陽:約100億年、人:約80年、炭:約1時間)。太陽がこの世からなくなれば、太陽系も存在しなくなり、その時に地球にいる人はどうなるのかは分からない。「太陽系最後の日」がやってきても、地球人
図 これからの太陽について2)
はなんらかの方法で助かるのかさえも今は分からない。
一方、人の営みである1年の365日間にも太陽が大きくなることがある。正確には大きく見える、であるが、地平線に沈みゆく太陽が、異常に大きくなり、もしかして太陽が破裂するのではないかと勘違いすることもしばしばである。その太陽が大きく見える理由は、複数の心理学的な効果(錯視的な)が重なったためと言われている4)。また、月も同じように地平線で大きく見えることがあるが、これも心理学的な効果で、錯覚と言われている5)。その現象は、一般的に太陽や月の地平拡大と呼ばれているが4)、その地平拡大に伴う錯覚の原因は、はっきりとは分かっていない5)。しかしながら、一つは、太陽や月の近くに建物や山などの景色が見えて、それと比較できる時とそうでない時で、大きさの感じ方が違うのではないか、という説5)、もう一つは、人間のもつ距離の認識空間はきれいな球形ではなく、天井の低いドーム型になっており、網膜上に映る太陽や月の大きさは同じなのに、脳は地平線付近の太陽や月は遠くに感じ、これを解決するために、太陽や月が地平線に近づくと大きくなると判断している、という説6)である。ちなみに、カメラではこの現象を騙せない7)。
1) http://www.eonet.ne.jp/~univers/sun1.htm (閲覧2016.2.22)
2) http://www.asahi.com/edu/nie/tamate/kiji/TKY200512050179.html (閲覧2016.2.22)
3) http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/planetary_nebula_white_dwarf.html (閲覧2016.2.22)
4) http://www.ncsm.city.nagoya.jp/study/astro/astro_news/big_moon.html (閲覧2016.2.22)
5) http://www.nao.ac.jp/faq/a0202.html (閲覧2016.2.22)
6) http://homepage2.nifty.com/osiete/s902.htm (閲覧2016.2.22)
7) http://www.tsm.toyama.toyama.jp/_ex/public/wadai/nendo2002/wadai299/wadai299.html (閲覧2016.2.22)