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題名:全世界の缶詰を制覇したい欲望に関する考察
報告者:トシ

 缶詰の魅力は、なんといってもその缶にある。プッシュと開けられるそのギミックは、缶詰ならではの醍醐味である。ある意味、ビックリ箱のようでもある。さらに、近年の缶詰のブームでもあろうことから、その缶の中には、これまたビックリするような美味しいものも非常に増えた。缶詰好きとしてはこの上ないよき時代である。なお、世界一臭いとされる北欧の、有名な缶詰として名高いシュールストレミングは、美味しいと感じる前に、匂いでも相当にビックリできる代物である。このシュールストレミングは、「屋外で、できればビニール袋(ゴミ袋)の中で開缶する」や「衣服や室内に汁が飛ばないように注意する」など1)の対策が必要となる。まさに、ギミック缶詰の最右翼でもあろう。図にOskars社のシュールストレミングの缶詰を示す。常温でも発酵するこの缶詰は、冷蔵庫に入れなければ、やがて匂いの爆弾と化す。

図 Oskars社のシュールストレミング2)

 缶詰の諸事情については、No.253にも報告したが、その種類を確認すると、日本はもとより、全世界の缶詰を制覇したい欲望は、かなりの労力と金銭を覚悟しなければいけないことを意味する。缶詰好きの人は、なんとしてもその欲望を満たしたいに違いない。筆者も物心のついたころから、缶詰のとりこである。今でも、店頭であまり見かけたことがない缶詰を見つけると、つい手を伸ばす癖がある。しかしながら、その欲望は未だに完全に満たされることがない。日本に輸入されているイカのアメリケーヌソースといった美味しいものから、そのギミックから年間の限定輸入の先のシュールストレミングを始めとして、その他、日本で作られるおでん缶、あるいは、トド肉の缶詰やいった珍しいものでも、今ではネットショッピングで容易く手に入れることができ、味わうことができるようになった。あるいは、近年の防災の意識の高まりから、パンの缶詰なども普通に手に入るようになった。しかしながら、輸入されないような幻の缶詰も、現地では沢山売られているであろうことは誰でも推測できる。特に、缶詰王国であるスペインでは、かの地の希少な缶詰は、かの地に行かない限りは、その人にとって幻のままで終わる。かといって、缶詰を求めてわざわざスペインに旅行に行ける人もそう多くはないであろう。そのため、缶詰好きの人の全世界の缶詰を制覇したい欲望を満たすべく、珍しい輸入缶詰を提供している輸入業者の方々には、ぜひ頑張って頂きたい。むろん日本の缶詰業者には、珍しい缶詰をいろいろと開発してもらいたい。そう願ってやまない。

1) http://kawabo.shop-pro.jp/?pid=19046074 (閲覧2017.1.18)
2) http://item.rakuten.co.jp/tsutsu-uraura/c/0000000429/ (閲覧2017.1.18)



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