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題名:アーチストの観点から探った社会性の特色の違い
報告者:ナンカイン

 本報告書は、基本的にNo.868の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 先の報告書にて、言語体系から人々の社会的な捉え方に何らかの関係があることを提示し、その捉え方には、集団への帰属、もしくは、個人への帰属として、集団主義的な捉え方と個人主義的な捉え方があることを示した。ここでは、アーチストの観点から、個人、および、集団的な社会性の特色を探りたい。
 近年の日本で売れるアーチストの特色として集団性が挙げられる。古くはおニャン子クラブに始まり、AKB48、NKB48、乃木坂46、欅坂46などが、その集団として挙げられよう。これらはすべて秋元康氏のプロデュースによる人気アーチストであるが、それ以外にも、EXILEも集団であり、CYBERJAPAN DANCERS も集団である。これも、ともに売れているのは言うまでもない。特に、CYBERJAPAN DANCERSの最新作である「Summer Summer」は、iTunes MV & ダンスアルバムチャート1位を獲得し1)、ここ数年で大きな飛躍を見せている。構成員などの雰囲気の方向性は異なっても、AKB48の「ポニーテールとシュシュ」や「Everyday、カチューシャ」などからの流れにも繋がるような夏的な印象を残すMVでもあろう。その狙いは、「Summer Summer」の歌詞にもあるが、まさに完敗(乾杯)される。
 一方、Wikipediaは個々の知が集め、それによって一つの項目が更新される。このことから、集団知とも呼ばれる2)。その集団に関して、集団は往々にして、その構成員のバイアスを緩和せず、むしろ強めるとされる2)。これと同じく、先に示した集団アーチストは、集団というその数だけでも多くの才能が強まりやすい。例えば、集団での才能の様相を、仮に統計的な図で示すと、その個々が、始めは崇高なレベルにまで達していなくとも(緑線)、徐々に才能を伸ばし(橙線)、それが増すことで(赤線)、さらには、時には大きな才能を開花させ(青線)、全体としての才能が崇高なレベル(縦軸で仮に0.6とする)にまで達する。ここが個人ではなく、

図 統計的な図3)

集団としての大きなメリットでもある。ゆえに、集団は、母集団の正規分布に引きずられて、値がよくもわるくも一定の価値を生み出しやすい。その一方で、Wikipediaに関する集合知を活かすには、修正を重ねることも不可欠とされる2)。集団アーチストの構成員が卒業したり、増員したりするのは、まさに、集団を活かすための修正でもある。ただし、海外のアーチストを見ると、一人が多い。集団として見ても、固定での集団数の最大は5人ぐらいであろうか。ただし、5人グループであっても、日本や韓国のアーチストは人気が持続するも、アメリカやヨーロッパなどの国々では、往々に持続しない。ここに、個人の特性をアーチストとして見做す向きと、集団もアーチストとして見做す向きの社会性の特色の違いが、如実に表れている。

1) https://www.youtube.com/watch?v=X27cWCE6IRw (閲覧2018.7.21)
2) http://www.dhbr.net/articles/-/3181?page=2 (閲覧2018.7.21)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/正規分布 (閲覧2018.7.21)



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