題名:恐竜から鳥への進化の足(羽)取り
報告者:トシ
かつて、恐竜と鳥がその進化の流れで同類であるとは明確化されていなかったが、近年の科学的な解析の発達によって、鳥の先祖が恐竜であることが明らかとなった。文献1), 2)にもあるように、恐竜類の進化はある時を境に二手に分かれ、一方が、トリケラトプスに繋がり、もう一方が鳥類に繋がる(図1)。トリケラトプスはもはや絶滅した種であるが、鳥類は様々な種も踏まえて、現在まで生き延びている。このことから、場合によって鳥類は、鳥=恐竜とも見なせる2)。そこで、鳥が恐竜?となるが、文献3)にもあるように、今では多くの科学者が、現代の鳥は生ける恐竜であることを確証している。すなわち、”ちゅんちゅん”と鳴くあの可愛いスズメも、”ポロっポー”たるハトも、綺麗なクジャクもイメージは違えども、恐竜なのである。今では、なんとなく怖い竜ではなく、可愛い・綺麗な、であると認識していても、竜である。
図1 恐竜と鳥の関係1), 2)
より専門的に進化を見ると、図2のようになる。この図にあるように、分岐となる大きな進化は、羽毛(Feathers)にある。そのため、鳥類は、現在では羽毛恐竜とも呼ばれる3)。ただし、初期の房状の羽は、空気力学的な機能を果たさず、断熱、熱遮蔽、通信、凍結、撥水性、防御など様々な機能を果たしていたことが推測されている4)。それが、やがて前肢の羽根と尾部の羽根を組み合わせて、
図2 羽毛恐竜からの進化4)
枝から枝へ、または、枝から地面へのパラシュートとしての機能を果たし、パラシュート時の空気への抗力を増加させ、降下速度を制御できるようになったとともに、前肢の羽根は、現在の鳥のように羽ばたく機能を持ちはじめ、牽引力を増加させ、時には、前肢の羽根(翼)を使った走りからの飛躍する機能へと進化した4)。
その羽毛恐竜の中でも、現在への鳥類に繋がる進化として重要な進化となるポイントの一つは、先に示した尾部となる5)。かつては、尾部の長い鳥が多く存在していたが、一部の鳥類において、尾部の骨格が骨融合を引き起こし、尾部が短い鳥へとなることで、現代の鳥一般に観察される形態へと進化した5)。
1) 土屋健(著), 小林快次(監修): そして恐竜は鳥になった: 最新研究で迫る進化の謎. 誠文堂新光社. 2013.
2) https://togetter.com/li/1065946 (閲覧2018.7.23)
3) http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/040800130/ (閲覧2018.7.23)
4) http://people.eku.edu/ritchisong/feather_evolution.htm (閲覧2018.7.23)
5) Rashid, DJ, et al.: From dinosaurs to birds: a tail of evolution. EvoDevo. 2014; 5: 25.