題名:ししゃも大辞典で知るシシャモの本当
報告者:トンカツる
シシャモはとてもおいしい。特に香ばしく、上品な塩で仕上げたシシャモは、食卓の逸品となるだけでなく、つまみでも極上の一品となる。しかしながら、この普段食しているであろうシシャモに関して、あるいは、店頭にシシャモと称して並んでいるシシャモは、実はその多くがシシャモではないことが判明した。
釧路市漁業協同組合の「ししゃも大辞典」1)によれば、本当のシシャモは年間1300トンほどしか漁獲されていない上に、一般にチェーン店等で出されているシシャモの正体は、標準和名でカラフトシシャモといい、英名ではCapelin(カペリン)と呼ばれる魚であった2)。また、「子持ちシシャモ」として販売されているシシャモは、外国から輸入されたカラフトシシャモで、キュウリウオ科の仲間ではあったが、実はシシャモでなかった3)。ここで、それが分かるように、シシャモに関連する魚の属と科を示すと、図のようになる。これを見ると明らかであるが、本当のシシャモは、シシャモ属のシシャモ科の魚になり、普段食しているシシャモと思っていたシシャモはマロータス属のカラフトシシャモ科の魚であることが分かる。この本当のシシャモは、日本固有の魚であり、世界的にみても日本の、しかも、北海道の太平
図 シシャモの属と科4)
洋岸にのみにしか生息していない5)。そのため、古くは北海道が蝦夷と呼ばれていた頃から、アイヌ民族の人々がこの小魚をシシュハモと名付け、神様から賜った魚として大切にしてきた経緯があった6)。また、シシャモという名称は、アイヌ語のsusam(スサム、語源はsusu(スス(シュシュ))=柳、ham(ハム)=葉とされる)に由来し、漢字では柳葉魚と書く7)。この名となった伝説にはいろいろあるようであるが7)、北海道の鵡川町では、シシャモカムイノミ(神々へ豊漁祈る儀式)として、霊魚である柳葉魚を汚してはならないならわしがあり8)、如何にシシャモが大切に扱われていたかが分かる。それほど、本シシャモは貴重なのである。なかなか食べることが出来そうにない本シシャモであるが、カラフトシシャモでも個人的にはとてもおいしい。
1) http://www.gyokyou.or.jp/03/index.html (閲覧2016.8.31)
2) http://www.gyokyou.or.jp/03/80.html (閲覧2016.8.31)
3) http://www.gyokyou.or.jp/03/75.html (閲覧2016.8.31)
4) http://www.gyokyou.or.jp/03/65.html (閲覧2016.8.31)
5) http://www.gyokyou.or.jp/03/74.html (閲覧2016.8.31)
6) http://www.gyokyou.or.jp/03/66.html (閲覧2016.8.31)
7) https://ja.wikipedia.org/wiki/シシャモ (閲覧2016.8.31)
8) http://www.town.mukawa.lg.jp/3124.htm (閲覧2016.8.31)