題名:いい“かげん”でのテキトーパンの作り方
報告者:エコノ
本報告書は、基本的にNo.1026の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
ごはんを炊くには、米つぶと水があれば炊くことができ、炊きあがったものはそれ自体で主食となる。しかしながら、パンは小麦と水だけで焼いたとしても、パンらしいパンを作ることができない。ただの小麦粉を焼いたものとなり、主食となる炊けたごはんとは大きく異なる。そこで、パンをよりパンらしくするためには、発酵という過程が必要となり、それを担うのが酵母である。その酵母を使うことから、家庭においてごはんを炊くよりも少しばかりの知識と、それを活かすための技術がパン作りに求められる。むろん、ごはんをよりおいしく炊くためには、パン作りと同じく、そこに知識と技術が求められるが、発酵という過程がない分、手間がかからない。ゆえに、ごはん屋はなくとも、パン屋が存在する理由もそこにあろうか。
近年は、パン食の人も多く、稲作の代わりに小麦を生産していることもよく見かける。それだけではなく、特別な知識や技術がなくとも、ごはんジャーでごはんを炊くが如く、ホームベーカリーも電気店など店頭に多く見かけるようになった。材料を投入して、タイマーをセットして、朝になればパンができる。「ホームベーカリー SD-MB1」に至っては、庫内温度を検知するセンサーを搭載し、グルテンが十分に生成されてからイーストを自動投入する「中麺法」を採用し、季節や運転時の室温変化に応じて、一年中安定した美味しさのパンを焼き上げることができる1)。まさに、パン食の人にとっては、ホームベーカリーさまさまであろう。しかしながら、パンが好きな人は食べるだけのみが好きな人も少ないはずである。そこには、パンを作りたいという欲求が常にあるかもしれない。そして、ホームベーカリーの発酵などの機能をうまく活用しつつ、自分でこねたり、自分で焼いたりすることもしたいに違いない。そこから、ホームなベーカリー屋としての道も開ける。
先の報告書のNo.1026では、シンプルパンの各材料のg数を換算したが、それらのデータに基づいて、ここでは、いい“かげん”でのテキトーパンを作るとしよう。
必要な各材料のg数を揃えたら、強力粉と砂糖と塩とドライイーストを混ぜ、そこに少しづつ牛乳を入れ、こね合わせる。ある程度こねたら溶かしたバターを混ぜ、さらにこねる。次は、発酵である。ホームベーカリーなどの発酵機能を利用して、時間は機械に任せて発酵させる。これが、一次発酵となる。一次発酵を終えると、一端取り出してこねなおして、10分寝かせる。そして、もう一度、機械に任せて発酵させる。これが二次発酵となる。二次発酵が終われば、成形してオーブンで焼く。たぶん、200℃、15分ぐらいでいい(と思う)。すると、発酵や焼き時間などは多少いい加減でも、いい“かげん”でのテキトーパンが作れる。テキトーであっても、こねと成形は自ら行ったことでパンを作った職人な感じに浸れる。ちなみに、便利なことに炊飯器(例えば、象印のNP-VN10など)にも発酵機能がついているものがあることから、ホームベーカリーなくとも発酵のみならば、こちらの機器任せでもよいであろう。テキトーパンでも、気分は図のように一流である。
図 テキトーパン職人2)を改図
1) https://panasonic.jp/bakery/products/SD-MB1.html (閲覧2019.1.1)
2) https://tr.depositphotos.com/2769080/stock-photo-cartoon-logo-mascot-bread-baker.html (2019.1.1)