題名:人を操る謎の球体による洗脳的な感覚
報告者:ゴンベ
本報告書は、基本的にNo.517の続きであることを、ここで前もってことわりたい。
先の報告書では鎖につながれた象の心理について検討していた。そこでは、鎖という心の洗脳によって象が操られている状態を考察している。ここでは象から人へと少し視点を変え、音楽のPVから人を操る、洗脳的な感覚を調べ、とある謎の球体によってそれが成された状況について探索したい。
人を操る謎の球体の存在は、Massive Attack feat. Young Fathers の”Voodoo In My Blood”にて見ることができる。文献1)にそのYoutubeを示す。
ここでアーチストのMassive Attackについて説明すると、Massive Attackはイギリス・ブリストル出身の音楽ユニットで、1982年に結成され、実質の活動は1988年頃からとなることから、ユニットとしても歴史が古い2)。その当時から、音楽の方法論的には、ダンスミュージックを主体としている2)。しかしながら、ベースやバスドラなどの低音を中心とした重量感と、気だるい浮遊感のある独自のサウンドを特徴とするため、トリップ・ホップやブリストル・サウンドと独自のジャンルを築くことにもなった2)。そのため、この辺の音楽を好む一部の方には、よく知られたユニットでもあろう。中でも、1991年のファーストアルバム「Blue lines」や、1998年にリリースされた「Mezzanine」は、Massive Attackらしいサウンドで、Massive Attackの代表作ともいえよう。そのMassive Attackが、マーキュリー音楽賞をアルバム「Dead」で獲得したヒップホップグループのYoung Fathersをフーチャリングして作成した曲が、”Voodoo In My Blood”となり、Massive AttackのEP「Ritual Spirit」に収録されている一曲でもある。そのMassive Attack とYoung Fathers の特異な曲を、これまた強調したPVが、人を操るとある謎の球体が出現する文献1)となる。
ファッション・デザイナー、ミュージシャン、大学教授など、多彩な顔を持つ日本のアーチストである藤原ヒロシ氏も指摘しているように、このPVの元ネタは完全にアレ(映画監督ドン・コスカレリの最大ヒットにして代表作のカルト映画「ファンタズム」)である3)。ただし、”Voodoo In My Blood”に出演している女優さんが、これまた充満する不穏な空気感を湛えた映画を撮ることで有名なデヴィッド・フィンチャー監督4)による映画「ゴーン・ガール」の主演女優さんであるロザムンド・パイクさんによるものであることから、このPVはかなりインパクトが強い。そのPVの動画の一部を図に示す。映像の撮り方も優れているが、Massive Attack とYoung Fathersによる曲を大いに増長するような見ざるをえないPVでもある。見る側もまさにその謎の球体に操られ、洗脳されるが如き感覚を生じさせる。
図 PV “Voodoo In My Blood”の一部4)
1) https://www.youtube.com/watch?v=ElvLZMsYXlo (閲覧2017.6.23)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/マッシヴ・アタック (閲覧2017.6.24)
3) http://ringofcolour.com/archives/11314 (閲覧2017.6.24)
4) http://www.gizmodo.jp/2016/06/david-finchers-long-shots.html (閲覧2017.6.24)
5) http://www.buro247.kz/culture/music/rozamund-payk-v-novom-klipe-massive-attack.html (閲覧2017.6.24)