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題名:いくらの気分は蒸しパンって、よく考えると詩的よねー
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1457の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 いくらたっても、いくらは醤油漬けにはならない。いくらに、醤油を入れないことには、漬けられない。そんな理想と現実の相違に悩み1)、いくらの醤油漬けは、なるべくしてなった漬け。やがて、その漬けは、ボヴァリー夫人を蒸しパンでいく。いや、蝕んでいくのだ。

「うーん、この出だし。うーん。いくらと蒸しパン…ね。」
「あまりお気に召さないでしょうか。お嬢さま」
「そうね、いまいちかも」

 そうして、中条あやみお嬢さま(図)に、納得されないまま、再び、理想と現実の相違に悩む。それは、まるでボヴァリズムなムード(No.1457)。「ボヴァリー夫人」のそれと同じ。そうじゃなかったはず。こんな出だしで満足していいものなのか。いくらたっても、いくらたっても、いくらの気分は蒸しパンなのだ。

図 中条あやみお嬢さま2)

「わたし。おでんがいいと思うの。いくらと蒸しパンよりも…、今はそんな紀文」
「お嬢さま。かしこまりました」

 そこで、紀文を新たにして、おでんでゆく。ゴーゴーなおでん。午後のおでんは、まさに絶品。知るが、見事に具材にしみこんで、午後の紀文をリフレッシュする。新しきを知る、知識とはそうして生じるのだ。きっとそうして生汁のだ。

「生汁って意外だったわ。なんだかなまなましいわね。なまじる、それとも、しょうじる」
「しょうじるです」
「なるほど。でも、やっぱおでんの紀文かも。しょうじき、いくらと蒸しパンよりもいいかもよ」
「公営にございます。「公の機関が事業を経営すること。特に地方公共団体が経営または設置、管理すること。また、その事業や営造物」2)で公的にございます、お嬢さま」
「そうそう、それっておおやけよねー」
「おおやけにございます。多少、筆の進みが悪うございまして、なかば大ヤケにございます。さすがお嬢さま、いいとこをご私的くださりまして、まことにありがとうございます」
「そうそう、いくらの気分は蒸しパンって、よく考えると詩的よねー」

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ボヴァリー夫人 (閲覧2019.11.18)
2) https://www.pinterest.jp/pin/699535754602270472/ (閲覧2019.11.18)
3) https://kotobank.jp/word/%E5%85%AC%E5%96%B6-494062 (閲覧2019.11.18)



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