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題名:アラビアータの風に吹かれて
報告者:トシ

 アラビアータで有名なのは、ペンネ・アラビアータである。ペンネとは、イタリア語でペンを表すPennaの複数形で、両端を斜めにカットしてあり、その名の通り形状がペン先に似ているショートパスタのことである1)。こちらは短いパスタとしてイメージが何となく湧く。文献2)にはペンネ他、各種ショートパスタが記載されているので、興味のある方は見ていただきたい。しかしながら、アラビアータの方は、一見すると、アラビア風のような語源に思えるも、実際は、アラビアからの風は吹いていない。文献3)にあるように、地名のアラビア (Arabia) との関係はない。そして、アラビアータ(arrabbiata)は、イタリア語で怒りという意味になり、イタリア語でのペンネ・アラビアータ(イタリア語:Penne all’Arrabbiata)は、なになに風のというall’をつけるのが正しく、カタカナにすると「アッラッラッビアータ」と読むことになる3)。なになに風はついても、おこりんぼ風とも訳される2)。そう、ペンネ・アラビアータには、ペンでの怒りの風が吹いている、のである。かといって、ここに記載しているのは、ペンによる記載(正しくはキーボードによるであるが…)に伴う世間への怒りんぼ風な報告、ではなく、筆者が単にアラビアータが食べたい欲望だけである。
 ただし、である。ペンネでなくて、スパゲッティ・アラビアータ(イタリア語:Spaghetti all’Arrabbiata)がいい、とも思い始めている。この心の葛藤に、若干の怒りを覚える。
 図にイタリア料理店、ラ・ベットラ・ダ・オチアイのオーナーシェフである落合務氏による直伝のペンネ・アラビアータを示す。文献4)にはそのレシピもあるために、こちらも興味のある方は見ていただきたい。スパゲッティ・アラビアータの方のレシピは、落合務氏の著書「落合務のパーフェクトレシピ」にも詳しく記載されている。そして、その怒りは、赤唐がらしによるこ

図 ペンネ・アラビアータ4)

とと分かる。ただし、その著書内の落合務氏曰く、「イタリアでアラビアータを食べても「ふ~ん」という感じ。いうほど辛くないんだよ。」とあるように、怒るほどではない。問題なのは、図の写真は、料理カメラマンの鈴木雅也氏4)によるが、文献5)にもあるように、料理カメラマンという、メタボリック予防の風が吹くことでもあろうか。ゆえに、食べたいが、食べすぎはよくない。でも、美味しそうなのは、落合務氏の腕か、はたまた、鈴木雅也氏の腕か。今日もメタボリックな風に吹かれて、アラビアータでの寸劇、言い換える(?)と「アラビアのロレンス」の如く、心が格闘する。

1) https://food-drink.pintoru.com/pasta/difference-of-penne-and-macaroni/ (閲覧2018.9.17)
2) https://haraheri.net/article/47/kinds_of_pasta?page=2 (閲覧2018.9.17)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/アラビアータ (閲覧2018.9.17)
4) https://www.kyounoryouri.jp/recipe/12654_ペンネ・アラビアータ.html (閲覧2018.9.17)
5) 栗山のぞみ: 料理カメラマン鈴木雅也さんの10か月間メタボリック予防大作戦!. 栄養と料理 73: 38-41, 2007.



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