題名:温泉に含まれる成分の一つである「メタケイ酸」の効能
報告者:エコノ
温泉には様々な成分がある。昭和23年に制定された「温泉法」によれば、温泉の定義を法律上で定めていて、温泉の科学1)によれば、
①温泉源で採取されるときの温度が25度(C)以上ある
②溶存物質(ガス性のものを除く)の総量が1kg中に1000mg以上含まれる
③別表で規定する成分のうちいずれかひとつが規定量以上含まれる
となる。この中で③の別表が温泉地でよく見かける看板の成分表となる。これには、例えば、比較的有名な二酸化炭素、マンガン、水素、硫黄、炭酸ナトリウム、ラドンなどがあるが、それに混じって「メタケイ酸(H2SiO3)」なるものがある1)。「メタケイ酸」の構造を図に示す。実にかっこいい構造をしている。その「メタケイ酸」は地殻を形成する物質の一つである二酸化ケイ素と水とが結合したものであるが3), 4)、「メタケイ酸」の一般的な呼び名である「ケイ酸」の効能を調べると、例えば、植物の稲にこの「ケイ酸」を吸収させると、受光態勢が改善され、根傷みも少なり、その結果として、光合成を盛んに行えるようになるとのことが指摘されている5)。さらに、それによって「ケイ酸」を吸った稲は、たちまち元気になるとも言われている5)。このことから、人にも「ケイ酸」はよい効能があることは間違いない。
図 「メタケイ酸」の構造2)
近年、温泉においてこの「メタケイ酸」の効能が注目され始めている。「温泉は地球がくれた”天然のビューティツール”」という素敵なテーマで活躍されている温泉ビューティ研究家の石井宏子さんによれば、日本の温泉は、この「メタケイ酸」が豊富な温泉が多く、これによってお湯の肌触りをまろやかにするとともに、肌に水分を運び、新陳代謝を応援する「美肌」のサポーターがあるという6)。さらに、「メタケイ酸」には、体をコーティングして温める保湿効果も期待されている7)。ただし、そうなるための「メタケイ酸」の含有量にも条件があり、50mg以上なら「美肌」に有効とされている7)。しかしながら、ただ単純にこの「メタケイ酸」の含有量が多くても、肌のしっとりが続く湯もあれば、湯あがりの肌に乾燥を感じることもあるようで6)、その点は注意しないといけないが、日本で最もこの含有量が多い温泉を調べると、大分県別府温泉郷の鉄輪温泉(かんなわおんせん)であることが分かり、600mg台もの含有量があるとされる8)。鉄輪温泉の入浴剤もあったが、ここは、やはり、「美肌」を追求する筆者として、一度は行きたい温泉No.1の座に輝いた。
1) http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/sience_of_hotspring/sience_of_hotspring_1-2.htm (閲覧2017.8.22)
2) https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Monosilicic_acid (閲覧2017.8.22)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/ケイ酸 (閲覧2017.8.22)
4) https://ja.wikipedia.org/wiki/二酸化ケイ素 (閲覧2017.8.22)
5) https://www.zennoh.or.jp/activity/hiryo_sehi/pdf/qa_keisankouka.pdf (閲覧2017.8.22)
6) http://onsenbeauty.com/beauty/index.html (閲覧2017.8.22)
7) http://www.hikyou.jp/fun/?p=449 (閲覧2017.8.22)
8) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10154413140 (閲覧2017.8.22)