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題名:みそ汁に入れる味噌の量と味噌のミソについて
報告者:トンカツる

 みそ汁は、日本の伝統的なスープでもある。そのため、白いご飯に、みそ汁、そして、漬物があれば立派なご飯となる(No.273も参照)。しかしながら、近年は減塩など、食塩を取ることに伴う食生活が見直され、日本の食卓におけるみそ汁の存在もやや薄くなり始めているように感じる。それは、筆者だけではないであろう。しかしながら、古くから「味噌は医者いらず」の言い伝えもあるように、味噌の効能は多大である1)。天保2年(1831年)から創業している味噌、醤油、漬物の製造および販売を主とする株式会社 越後みそ西によれば2)、味噌には9つの効能があり、1.コレストロールの抑制、2.胃がん予防、3.肝臓がん予防、4.乳がんの予防、5.胃潰瘍の防止、6.老化防止、7.消化促進、8.整腸作用、9.美肌効果がある3)。また、広島大学の渡邊敦光博士4)ほか、多くの研究者がそれらの効能を認めている3)。このことから、みそ汁は、味噌の塩分などに関する話題よりもむしろ、適度な摂取の仕方であれば、健康によい作用を持つことが明らかである。渡邊敦光博士曰く、これが「味噌力」5)となる。その文献の表紙(図)にもあるように、味噌は「日本古来の最強サプリ」なのである5)。
 一方、みそ汁を作る際に問題となるのが、みそ汁に入れる具材と味噌の量である。具材に関しては、豆腐やわかめ、あるいは、ネギ、油揚げなど、定番の具材がすぐに思いつく。しかしながら、作っている最中、味噌の量をどのぐらい入れると最適なみそ汁となるのかについては、作ったことのある人ならばよく分かる悩みの種であろう。味噌が多すぎると、その味が強くなりすぎるために、具材の持ち味が生かされない。逆に、少なすぎると、具材の味ばかりが目立ちすぎ、みそ汁らしさが失われる。そこで、みそ汁作りにおける具体的な味噌の量について、ここでは報告したい。

図 「味噌力」の表紙6)

 各種文献によると7), 8) 9)、水10に対して、0.9~1程度の味噌の量が最適のようである。ただし、この味噌1は一人前で大さじ1に相当し、味噌の種類によるが塩分量は2g強となる9)。2015年4月の厚生労働省の報告より、日本人の食塩の目標量が男性8.0g/日未満、女性7.0g/日未満となったことから、塩分を控えなければいけない場合は、味噌の量をやや少なめにした方がよいかもしれない。しかしながら、文献5)によると、味噌の中の食塩は、食塩単独とは異なった働きを持つらしい。その作用はまだ明らかではないが、味噌自体には逆に血圧を下げる働きがあることも確認されている5)。この点が味噌の面白いミソでもある。

1) http://miso.or.jp/knowledge/effect (閲覧2017.1.16)
2) http://www.misonishi.jp/company/index.html (閲覧2017.1.16)
3) http://www.happy-kashiwazaki.com/misonishi/miso1.htm (閲覧2017.1.16)
4) 渡邊敦光: お味噌の効能. 日本醸造協会誌 105: 714-723, 2010.
5) 渡邊敦光: 味噌力. かんき出版. 2012.
6) https://www.amazon.co.jp/dp/B0176AHKGS/ (閲覧2017.1.16)
7) http://kyopin-navi.jp/post/5395/ (閲覧2017.1.16)
8) http://nothing-serch.com/omisosiru-3331.html (閲覧2017.1.16)
9) http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1149463216 (閲覧2017.1.16)



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