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題名:夢世界が現実世界に近づく時 -永遠(愛)を求めて-
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.965の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 先の報告書にて、夢世界をうまく利用し、現代の人知を超越するような太古の人類が第三の目で夢見たであろう脳内の連関を体現できれば、超越的な夢世界を現実世界として掘り起こすことができる。それ自体は、今は具体的な検証はないが、超越的であるかは別として、今の世の中でも夢世界は、時として予知という形で何らかの想起を与えてくれる。その予知夢が未来の現実に起きないとしても、何度も見る夢は、脳内で何度も想起され、やがて記憶として定着しやすい。それが、特定の人物に対する夢であった場合、特に男女間のこじれた夢世界が出逢ったが最後、現実世界にそのこじれが漏出する。2010年のデンマークのペール・フライ監督による「白昼夢に抱かれる女(原題:Kvinden der drømte om en mand (男の夢を見た女))」はその一つでもあろう。ただし、この映画は大人向けとされるために、年齢に応じて鑑賞していただきたいが、単純に言えば、昼メロドラマ的な不倫映画である。映画の概要は、Netflix上では、こう記載されている。「毎晩見知らぬ男の夢を見る若く美しい女流カメラマンのケイ(カレン)。ある日パリでそっくりな男に遭遇、激しく惹かれ、夢と現実の狭間で欲望のまま情事にのめり込んでいく。」である。Filmarksの星の数は2.7/6であり、中庸な作品であることが分かり、レビューもそれほど良い評価はない1)。その他、文献2), 3)にある個人の映画レビューでも「極めて平凡」、「チンケな愛憎劇」と酷評である。ただし、個人的には気になる場面が多々あった映画でもある。それは、この映画の分かりやすい点である不倫とかエロスとか、ではなく、主人公のカレンが交わす会話や行動においてである。その場面を示すと、カレンが娘ヨゼフィーネに本を読み聞かす「もしあなたが王子様に愛されることがなく王子様と結婚することができなければ あなたは永遠の魂を得られないでしょう」という現実世界の場面①、ホテルのロビー係に、カレン「すみませんここはどこですか?」、ロビー係「エウロペイスキ・ホテルのロビーです」、カレン「どの町にあるの?」、ロビー係「ワルシャワです」とその夢世界の所在を聞き出す夢世界の場面②、そして、ファッションのカメラマンであるカレンが、仕事の移動で不思議とワルシャワに行くことになり、実はそのワルシャワには、夢世界ですでに出逢い、さらにパリでその偶然に出逢って不倫関係となっていたマチェックがいることから、ワルシャワに行くのを拒むカレンが、夫のヨハンにむかって「移動ばかりでアイデアも尽きたわ」という現実世界の場面③、である。さらに、これらを丸めこむように、カレンが夢世界で見ていた男、マチェックは、必ず最後にエウロペイスキ・ホテルの窓から飛び立つように、死んでいく、でもって目覚める夢世界の場面④である。これらの場面から、カメラマンというある種、特殊な感性が重要視される仕事において、アイデアの生と死、そして、人の生と死、その予知、さらに、夢世界が現実世界に近づく際のこじれが、王子様への永遠の魂を得ようとするが如く、カレンの人なりを変貌させ、たことが映画から浮かび上がる。文献4)の方のレビューは、「恋人にしても夫にしても あんなに愛し合った人でも永遠ではない」としているが、夢世界も現実世界も、永遠はないと知りつつも、永遠(愛)を求める。

1) https://filmarks.com/movies/52285 (閲覧2018.11.12)
2) https://ameblo.jp/eigasuki/entry-11076581798.html (閲覧2018.11.12)
3) https://ameblo.jp/sir-cry/entry-11267655490.html (閲覧2018.11.12)
4) http://yutake2415.blog.fc2.com/blog-entry-1554.html (閲覧2018.11.12)



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