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題名:ILFORD XP2
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.1943の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 その二つの海洋は、互いに面しているにも関わらず、僕の心の中で交わろうとはしなかった。その中間に僕という灯台があり、その彼方を見れば、くっきりと二つの海洋には境界線がひかれていたことも見て取れた。それは、一方は濃紺で、一方は濃緑のように一線が引かれているかのように色鮮やかに分けられているのだった。だから、右が…、左が…、と確実に区切ることが出来た。
 まるでEmbryo Burning同時再生してみたと同じように、右と左でよく似ている。それなのに、区別されるようなTributeだった。そして、そこに流れるコメントのように「両耳に流れるエクスタシー」あるいは「ええのう」のように、僕はそのコメントの流れに永遠なる注視を感じざるを得なかった。そのコメントは、結局のところ、YOUか、James Ihaかと悩むときでもある。YOUか、James Ihaか。
 そして幾多の事を忘却しながら、宇多田的に僕は、点滅するヒカリの中で別の幻聴1)を聞いた。

 あなたを悪く言っても とっても恋しくなると思うわ
 愛がすべての 私は女だから
 あなたを悪く言っても とっても恋しくなると思うわ
 愛がすべての 私は女だから

 それはクミちゃんの声からのだろうか、それともシズコからの声だろうか。もはや僕には分からないくらいに頭の中にはThe Everlasting Gazeな幻聴が聞こえていた。僕にとっては、どっちの海洋も、

サランヘヨ、사랑해요

だったからだ。もう自分の気持ちがどうしようもなく、

난 이렇게 힘든데 힘들어 죽겠는데 (私こんなにつらいのに つらくて死んじゃいそうなのに)

だったからだ。
 だから、そのMVでの出来事を元に僕は、ILFORD レンズ付き白黒フィルム XP2 Super ISO400 27枚撮り(2台セット)を引用してしまう。なぜならば、僕にとって、これが、これが、そして、彼女が、本当に特別な存在だったからだ。僕の記憶は、ILFORD XP2とともに、今も息づいている。カラー現像なのに白黒で仕上がる、そんなXP2の存在に。

1) http://kwenchana.blog37.fc2.com/blog-entry-12.html (閲覧2021.1.22)



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