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題名:「塵も積もれば山となる」を計算にて再考する
報告者:トシ

 「塵も積もれば山となる」。言わずとしれたことわざであり、その意味は、ごくわずかのものでも、数多く積もり重なれば高大なものとなることのたとえ、である1)。人の営みでこれを意訳して言い換えると、継続は力なりとなるのかもしれない。そのため、日々の小さなことを積み重ねると、大きなことにも発展させることができる、となるであろう。はたして発展したのかは不明だが、研究所の報告書もこの号でNo.293ともなった。
 一方、現実の生活に即して「塵も積もれば山となる」を捉えると、まず塵の大きさは粒径0.1mmにて髪の毛ほどに相当する2)。目に留まりやすい大きさの塵として、このぐらいの大きさが適当であろう。そのため、塵を半径r = 0.05mmとして、形状を球形と仮定すると、その体積Vsは、
Vs=4/3 πr^3
で求められるために、塵一個あたりの体積は、
Vs = 5.23598e-4mm3 = 5.23598e-13m3
となる。次に、山について考えると、日本百名山3)の中で最も低い山は筑波山となるために、筑波山のおおよその体積を求める。しかしながら、海抜0mからの体積を求めるには詳細なデータが必要となるために、ここでは、筑波山ケーブルカ      
ーのデータ4)を利用して、図のような筑波山の体積を求めたい。

figno293

図 筑波山ケーブルカーのデータ4)

筑波山の形状を円錐として見なすと、その体積Vcは、
Vc=1/3 πr^2 h
で求められる。hは高さ495m、rは1634×cos20° = 1535.96mとなるため、
Vc = 1222907556.31m3
となる。これより、塵と山の体積比を計算すると、
Vc/Vs = 1222907556.31/5.23598e-13 = 2335581390374002089976倍
となることが理解できる。これらのことから、一般的な塵に対して、最も低い日本百名山3)の筑波山の大きさとなるだけでも、塵が2335581390374002089976個揃わないと山にはならないことが判明した。No.300までの道のりは近いが、No. 2335581390374002089976までは相当遠い。

1) http://dictionary.goo.ne.jp/jn/145459/meaning/m0u/ (閲覧2016.7.28)
2) http://www.oshitari.co.jp/catalog/pdf/p3.pdf (閲覧2016.7.28)
3) 深田久弥: 日本百名山. 新潮社. 1978.
4) http://www.mt-tsukuba.com/?page_id=114 (閲覧2016.7.28)



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