題名:オムライスの世界、世界のオムライス
報告者:トンカツる
オムレツとライスの組み合わせでオムライス。まさに、点と点が合わさって、線が引かれたようなメニューである。そういう意味で言えば、報告書のNo.339にも示されたように、PPAP法則の料理版とも言える組み合わせである。ライスにケチャップ、オムレツにライスである。ただし、どのような料理であっても、最終的に重要なのは、その組み合わせのマッチングである。食材を含めて、どのような組み合わせであっても、マッチングがいまいちであった場合は、最終的な料理としても、いまいちな感じとなる。オムライスは実にベストマッチングである。PPAPもベストなマッチングである。
そのオムライスは、洋食で分類されるも、実は、日本で考案された洋食である。この辺は、報告書のNo.40でも示されたように、スパゲティのナポリタンと同じような時代背景を持っている。したがって、オムライスは洋食的な日本食と言えるのかもしれない(ややこしいが…)。
オムライスの発祥は、その歴史を紐解くと、東京銀座の「煉瓦亭」、もしくは大阪心斎橋の「北極星」とされている1)。現在のオムライスは、ライスの上にオムレツが載り、それを割るタイプが多いが、筆者の幼い頃からのイメージにあるオムライスは、ケチャップライスが薄い卵で包まれたタイプが多かったため、大阪心斎橋の「北極星のオムライス」がそれに近いのかもしれない。図にその「北極星のオムライス」を示す。とてもおいしそうである。お腹が空いている時に、この画像を見たら、よだれが止まらないに違いない(報告書を書いている今、お腹が空いている、ので…である)。文献2)によれば、その「北極星のオムライス」の元となる元祖オムライスは、1925年(大正14年)、いつも白飯とオムレツを別々に頼んでいた胃の弱い常連客のために、いつも同じものではかわいそうだからとの店主の思いやりから、ケチャップライスを卵で包んで提供したのが始まりとされている。このことから、ライスを包んだ卵は、やさしさの象徴でもあろうか。その印象もあるため、オムライスが実際は冷えていた
図 北極星のオムライス3)
としても、見た目から温かさが感じられるのは、このような歴史にも由来しているのかもしれない。この印象はなにも筆者だけではないであろう。この報告書を読む方の中でも、筆者と同じような印象をオムライスから得られる人も多いに違いない。ゆえに、卵で包まれたオムライスは、温かい世界を演出している。
一方、ライスを主食としているのは、アジアが中心となる。現在、このオムライスの洋食的な日本食が世界でどれほど認識されているのかは、不明である。しかしながら、このライスにケチャップ、オムレツにライスのベストマッチングな組み合わせで、かつ、卵に包まれた温かいオムライスの雰囲気は、もっと世界に羽ばたいたとしても不思議はないであろう。少なくとも、この報告書をきっかけに、日本のオムライスが、世界のオムライスとなって、世界中に大いに羽ばたいてほしいと願っている。
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/オムライス (閲覧2017.3.9)
2) http://item.rakuten.co.jp/gourmet-hokkaido/2015-100301/ (閲覧2017.3.9)
3) http://item.rakuten.co.jp/rakuten-mart-toriyose/2600000042123/ (閲覧2017.3.9)