題名:肉の揚げ物たる3大料理の人気の比較
報告者:トンカツる
肉の揚げ物であるカラアゲとトンカツとカツレツは、非常に魅力的な肉の料理である。特に、お腹が空いた時やガッツリ食べたい時には、このような肉の料理はより一層魅力的に映える。
そもそもチンパンジーやゴリラも含めて、類人猿は肉をほとんど食べない。植物食がもっぱらである。それは、ライオンやトラなどの肉食を中心とする動物に比較して、生肉を消化する酵素が、類人猿の胃腸には少ないからである。食べる必要性がなかったために、酵素も少ないのかもしれないが、今でこそ、ヒトは植物も肉も大いに食べる、その他も大いに食べる、まさに雑食動物である。太古のヒトがまだチンパンジーと進化上で分岐した直後は、ヒトは完全なる草食動物の一員であった。ちなみに、現在のチンパンジーを調べても、肉を食べるときは興奮した特別な状態だけとされ1)、肉自体の摂取量も一日20 gとされている2)。すなわち、我々に遺伝的に最も近い類人猿のチンパンジー(No.122も参照)ですら、現在でも肉はほとんど食べていないことが明らかである。一方、アフリカの狩猟採集民は、300-400gの肉を一日で食べるという推定もある2)。
このように、ヒトが肉を大いに食べられるようになったのは、ひとえに火のおかげである。リチャード・ランガム博士によれば、ヒトは火を使って料理できることで進化し、火による料理がヒトの栄養の摂取に際して有利に働いたことが判明している3)。同じように、肉に火を通すことで、生肉にある雑菌やその他生肉に伴う食中毒も防ぐことができる上に、肉の焼ける匂いは、食欲中枢を大いに刺激する(No.168も参照)。むろん油で揚げた場合も同じ効果がある。そのため、肉の揚げ物で、鶏肉のカラアゲ、豚肉のトンカツ、牛肉のカツレツは、肉の揚げ物たる3大料理と言えるであろう。図に上からカラアゲ、トンカツ、カツレツを示す。
図 カラアゲ、トンカツ、カツレツの写真4, 5, 6)
一方で、これらの人気についても知りたいのが、肉を食べるようになったヒトの性(サガ)であろう。筆者個人としては、カラアゲが第一位である(名前はトンカツるであるが)。世間的にこの人気を調べるために、Cookpadにより、カラアゲ、トンカツ、カツレツを検索し、そのレシピの数を調べると、カラアゲが21613品、トンカツが4074品、カツレツが853品となり、カラアゲが群を抜いてレシピ数が多かった(3.17現在)。そのことから、カラアゲの人気は、肉の揚げ物たる3大料理の中では、独走体制であることが分かった。
1) 立花隆: サル学の現在. 平凡社. 1991.
2) http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/sections/ecolcons/hanya/lecture/nagoya_3.pdf (閲覧2016.3.17)
3) ランガム, リチャード: 火の賜物 ヒトは料理で進化した. NTT出版. 2010.
4) http://hamsonic.net/2015/03/26/kuriharaharumi-karaage/ (閲覧2016.3.17)
5) http://www.kyounoryouri.jp/recipe/2175_とんかつ.html (閲覧2016.3.17)
6) http://www.nisshin.com/entertainment/italian/recipe/carne/ca007.html (閲覧2016.3.17)