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題名:ハトらしいイメージ
報告者:トシ

 ハトは“クルック―”と鳴く。さらに、ハトは歩くときは不思議と首が前後に動く。神社や仏閣などの公園に“クルック―”と発し、”首が前後”に動いている鳥を見かけたならば、そのほとんどはハトであろう。そして、“ポッ、ポッ、ポッ、ハトポッポ マーメがほしいか そらやるぞ”1)の調子(作詞、作曲ともに不詳で1911年に文部省に唱歌として指定2)。図)でハトに餌をまくと、一斉に餌に群がる。その様子は、アルフレッド・ヒッチコック監督による映画「バード(鳥)」さながらの恐怖感がかもしだされる。そのためだけではないが、最近は神社・仏閣の公園に、”ハトに餌を与えないでください”との看板もよく見かける。しかしながら、その恐怖感がある一方で、ハトは平和の象徴でもある。平和の象徴でもあることから、2020年の東京オリンピックでも、どこかでハトの出番があるに違いない。一般的に鳥のハトへのイメージはこんな感じであろうか。

図 鳩1)

 かつては手品といえば、白ハトは常連であった。しかしながら、近年は手品も複雑化したために、白ハトが必ずしもそこで登場するとはいえなくなった。そうとはいうものの手品 = 白ハトのイメージは定着している。ちなみに、手品で使われるハトは、銀鳩と言う種類であり、その特徴は文献3), 4)に詳しくあるが、銀鳩はそれほど厳しい訓練をしなくとも手品に使用でき、「大人しい、小さい、懐きやすい」という特徴があるとされる。なお、ハトを使った手品の始めは、1960年にイタリアで公開された映画「ヨーロッパの夜」に端があり3)、そこではパリ、ロンドン、ローマなどのヨーロッパの主な都市のナイト・クラブやミュージック・ホールでの世界一流のショーを集めたものが上映されている5)。そして、その中の登場人物の一人であるチャニング・ポロックが、マジックで銀鳩を出したのをきっかけに多くのマジシャンが鳩出しマジックをするようになった1)。その場面がニコニコ動画6)にあるので、興味のある方はそちらを見ていただきたい。
 このようにハトには他の鳥以上にハトらしいイメージがある。このハトらしいイメージでもって他を考えると、観光でははとバス、お菓子では鳩サブレーが筆頭にあげられようか。ただし、はとバスにのったからといって、鳩サブレーが当たる訳でもなく、鳩サブレーを買ったからといって、はとバスの乗車券がもらえる訳でもない。そこに関連性はない。はとバスの名称は1950年には制定され7)、鳩サブレーは実に1894年に誕生している8)。このことから、ハトらしいイメージの最も古い歴史の発端は、意外と鳩サブレーかもしれない。

1) http://bunbun.boo.jp/okera/w_osanago/hato_mb.htm (閲覧2018.6.6)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/鳩_(童謡) (閲覧2018.6.6)
3) https://www.doveeducation.info/2017/08/28/6reason-dove-white/ (閲覧2018.6.6)
4) http://xn--fdkn.xyz/archives/662 (閲覧2018.6.6)
5) https://eiga.com/movie/65677/ (閲覧2018.6.6)
6) http://www.nicovideo.jp/watch/sm14831361 (閲覧2018.6.6)
7) https://ja.wikipedia.org/wiki/はとバス (閲覧2018.6.6)
8) https://www.hato.co.jp/hato/index.html (閲覧2018.6.6)



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