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題名:ハムスターの排せつ行動(おしっことうんこ)の習性
報告者:ダレナン

 本報告書は、基本的にNo.244の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 No.242にてハムスターの生活について考察するとともに、No.243およびNo.244にてハムスターの知能について検討した。ここでは、それらの流れを踏まえ、ハムスターの排せつ行動(おしっことうんこ)について調査し、どのような条件でそれが成されるのかについて検討したい。
 ヒトと同じく、ハムスターも食物を摂取すると、その排せつ物が体内から放出される。そのひとつが便(ここでは、うんこと称する)、もうひとつが尿(ここでは、おしっこと称する)になる。ヒトの排せつ行動は、生後から約2年近くはその排せつ物はオムツにより対応し、親が基本的にそれを交換する。一般的なヒトのトイレトレーニングは、2歳の前後に行われ、その目安として、①歩いてトイレに行ける、②おしっこの間隔が2時間以上あく、③したい意思を伝えられる、が挙げられる1)。ヒトが完全にトイレで自立するまでは、おまるなどの対応も必要とされるが、オムツから、時におまる、そしてトイレ、という流れでうんことおしっこともするのが、一般的なヒトの排せつ行動の習性になる。そのため、トイレでするのは本能ではなく、学習による。一方、ハムスターの場合は、特に野性のハムスターの場合は、敵に匂いを嗅ぎつけられないように、本能的に巣穴の寝床から離れた決まった場所でおしっこをする習性がある2)。図にそれを示す。そのため、ケージ内に適切な環境があれば、指定の場所のみでおしっこをする。このおしっこに対して、うんちは乾燥して匂いも少ないために、ケージ内のどこででもする3)。さらに、野生のハムスターは、時に「食糞行動」と言い、食物の中の食物繊維を炭水化物に分解してうんちとして出すために、うんちを食べる行動も認められる3)。しかしながら、ケージ内の環境が適切でない、あるいは、おしっこのする位置が定まっていない場合は、ハムスターにも、トイレトレーニングが必要となる。ケージから匂いがある場合は、ハムスターの臭いというよりも、むしろ、おしっこをする位置が定まっていないために起こる現象であり、乾燥したうんこによるものではない。すなわち、ケージ内に適切な環境があれば、トイレに相当する穴を適宜交換すれば、ハムスターは飼育上それほど臭いはない。
 ゴールデン、ジャンガリアン、ロボロフスキーなどハムスターの種類によっても、そのトイレトレーニングの効果に差があるも、その方法は、

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図 野性ハムスターの巣穴2)

①トイレに相当する穴に、おしっこの匂いを残す、②匂いのするトイレを、トイレと思うまで繰り返す、である2)。本能に根差す分、ヒトのトイレトレーニングよりも手間がかからない上に、ハムスターの嗅覚自体は、ヒトよりも優れ、匂いにも敏感である。

1) http://moomii.jp/kosodate/toilet-training.html (閲覧2016.5.15)
2) 岡野祐士: ハムスターの育て方. 大泉書店. 2010.
3) 岡野祐士, 今泉忠明: 幸せなハムスターの育て方. 大泉書店. 2013.



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