題名:ゴンチャロフの歴史を調べる
報告者:トシ
世界各国には、数多くのチョコレートメーカーがある。ゴンチャロフ(Goncharoff)もその一つに違いない。かつての日本ではほとんど店頭ではお目にかかれなかったメーカーであることから、お菓子類、その中でもチョコレートと言えば、年配の人ならば、ほとんどが明治製菓か、ロッテを製造会社として挙げるに違いない。
明治製菓は、1916年に前身となる東京菓子株式会社が誕生し、1926年に「ミルクチョコレート」が販売されている1)。そのため、チョコレートとしての明治製菓は1926年が始まりとなる。一方、ロッテは、1948年に創業され、1964年にチョコレート技師マックス・ブラック氏の指導により、欧米の最新鋭機械を導入したチョコレート工場が浦和に完成し、同年に「ガーナミルクチョコレート」が発売されている2)。そのため、ロッテのチョコレート会社としての始まりは、1964年となるであろう。それでは、表題のゴンチャロフは、チョコレート会社としてどのような歴史があるのであろうか。
ゴンチャロフはまずその綴りをみると、いかにもロシアの人の名前のように思える。よくある人の名前で、ナニナニロフ(ノフ)やナニナニスキーはロシアの人であるとの認識が高い。例えば、「ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18」を作曲した音楽家のラフマニノフや同じく音楽家で「白鳥の湖」を作曲したチャイコフスキーなどはその名の通りロシアの人である。それでは、ゴンチャロフはどうかといえば、もちろんロシアの人の名である。その本名は、マカロフ・ゴンチャロフ氏となる3)。ロマノフ王朝の宮廷菓子職人であった氏が、大正12年に神戸にてボンボン・ショコラを作ったことがゴンチャロフのチョコレートメーカーとしての始まりである3)。西暦で言えば、1923年のこととなる。このことから、1926年の明治製菓や1964年のロッテよりも歴史が古く、かつ、マカロフ・ゴンチャロフ氏はロシアの方ではあるものの、メーカーとしての始まりは日本が発祥であったことが分かる。ゴンチャロフ製菓株式会社としての会社での運営は1953年からであるが4)、チョコレートのメーカーとしては老舗ということが言えるであろう。しかしながら、明治製菓やロッテと異なり、社名に人の名が入っていることがいい意味でゴンチャロフ製菓株式会社の特徴になろうか。そのため、一般の店頭では取り扱いが少ないが、贈答品などの高級なチョコレート菓子のメーカーとして、ゴンチャロフ氏の名が刻まれている。ゴンチャロフ氏 = ロシア的 → チョコレートの本場的 = どれもおいしいチョコレートであろう → 素敵、的な図式が成立している。これは、筆者だけでなく、読者の方もこの図式に納得する人もいるであろうことは疑う余地はない。特に図にあるように、一個のチョコレートが大切にパッケージングされていると、ゴンチャロフ氏の愛着が一層湧くことになる。ただし、愛着があって大切にしても、気が付くと、何時の間にやら目の前のゴンチャロフ氏の影も形もなくなる(食べてしまう、食べられてしまう)。
図 ゴンチャロフ5)
1) http://www.meiji.co.jp/corporate/about_meiji/history/#tab-1 (閲覧2016.12.12)
2) http://www.lotte.co.jp/corporate/history/ (閲覧2016.12.12)
3) https://www.goncharoff.co.jp/message/ (閲覧2016.12.12)
4) https://www.goncharoff.co.jp/history/ (閲覧2016.12.12)
5) https://www.amazon.co.jp/ゴンチャロフ-ゴンチャロフ-メッセ神戸-20個入り-2000-※秋冬限定商品/dp/B0151BY4JA (閲覧2016.1212)