題名:強力粉と薄力粉の違いからの一考察
報告者:エコノ
強力粉と薄力粉の違いについては、料理サイトとして有名なCookpadを始めてして1)、様々なサイトで調べられている2)。文献1), 2)をまとめると以下の表が違いとなる。
これを見ると一目瞭然であるが、
表 強力粉と薄力粉の違い
成分としての違いは、たんぱく含有量とグルテンの量となる。これらは、強力粉では多く、薄力粉では少ない。なお、うどん作りで用いられる中力粉はこの中間に位置する2)。
このグルテンは、いわゆる小麦粉の”もちもち”した感じの成分である2)。その正体は、小麦粉のたんぱく質の約85%に相当するグリアジンとグルテニンで、小麦粉に水を加えて捏ねると、このグリアジンとグルテニンが絡み合ってグルテンができる3)。さらに、グリアジンは弾力が弱く粘着力が強くて伸びやすく、グルテニンは弾力に富むが伸びにくい性質のたんぱく質である3)。この2つの性質のたんぱく質が結びつき、グルテンは粘弾性を備える3)。これが多いほど、”もちもち”した感じとなる。表で適した料理を見ても、その差がよく推測できる。
そのグルテンは、近年ではグルテンフリーとして名前が知られ、日本でもグルテンフリーダイエットとして認識された。なにやらグルテンはダイエットの悪人扱いとなりつつある。しかしながら、ダイエット(Diet)のそもそもの語源には、食事法や食性という意味もあり、痩せるためのという意味ばかりではない。そのため、日本ではこのダイエットという語に飛びつき、グルテンフリーで痩せられるとの誤解を招いている。正しくアメリカでは、グルテンを除去した食事法として認識され4)、そのため、いわゆる減量としてのダイエットは、疑問視もされている5)。牛乳を飲むと乳糖耐性が低いことから、お腹がゆるくなりやすい人がいるのと同様に(報告書のNo.7も参照)、消化器系の問題でグルテンに敏感に反応してしまう人のための食事法でもある4)。
一方、人間と小麦を含めた穀物との関係も変化し、食料(穀物)不十分な時代から豊食の時代になり、食べられなかった時代から食べられる時代に変わることで、それに伴って小麦を含めた穀物が与える健康の問題も無視できなくなった6)。しかしながら、材料を吟味し、古くからの製法で作られた食べ物に悪いものはなく、むしろ余計な添加物や食べすぎのほうが健康を害すると筆者は思うところである。この報告書を読む方は、それをどのように思うのかは、知りたいところではある。
1) https://cookpad.com/cooking_basics/8824 (閲覧2017.3.27)
2) http://xn--n8j9do164a.net/archives/1578.html (閲覧2017.3.27)
3) http://www.seifun.or.jp/kisochishiki/tanpakusituguruten.html (閲覧2017.3.27)
4) http://www.gizmodo.jp/2014/04/post_14415.html (閲覧2017.3.27)
5) http://www.mag2.com/p/news/209385/2 (閲覧2017.3.27)
6) http://www.kokumotsukagaku.com/greeting.html (閲覧2017.3.27)