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題名:柿ピーにある柿の種は何個で真円に近づくか?
報告者:ログ

 柿ピーはとてもおいしい。柿の種の辛さとピーナッツのナッツ的な甘みが程よくマッチし、異なる歯ごたえも絶妙で、普通のお菓子としても、あるいは、酒のつまみとしても絶品である。
 一方で、近年では揚げたお菓子は肥満などを誘発する身体への悪影響の怪訝もあり、特に海外では油分の少ないお菓子が注目されつつある。柿の種のような油で揚げてはないお菓子はその代表でもあり、アメリカのAmazonであるAmazon.comでも”non-fry”として注目されている1)。
 その柿の種の元祖は、新潟県にある浪花屋製菓株式会社に求められる2)。浪花屋製菓の創業者である今井與三郎氏が柿の種を発明したのは偶然であった。ある日、煎餅作りの金型をうっかり踏み潰してしまい、元に直らずそのまま使用したら、歪んだ小判型のあられになってしまったようである。その歪んだ小判型のあられが、後の「元祖 柿の種」になるのである。詳しくは文献2)を参照していただければと思う。ことわざに失敗は成功の元とあるが、「元祖 柿の種」は失敗が成功となったとてもよい例である。今井與三郎氏がその歪んだ柿の種のことを本当に失敗だと思っていたら、今でも柿の種はこの世に存在しないことになるであろう。氏はその当時、「元祖 柿の種」の発見に、きらりと光る何かを見出していたに違いない。
 歪んだ形から、柿の種をじっくり見るとゆるりとカーブしていることが分かる。そのカーブ感は絶妙であり、このような形状を生み出したことに実は驚くべき要素がある。すなわち、このカーブはただのカーブではなく、組み合わせるとある形に変身できる。それが円である。
 そこで本報告書では、柿の種を合わせると円になることを応用して、それをより真円として近づけるには何個の柿の種が必要とされるかを実験した。なお、使用した柿の種は「元祖 柿の種」ではなく、形状的にはほぼ同じで、かつ、店頭に広く販売されている亀田製菓の「亀田 柿の種」を利用した。なお、「亀田 柿の種」の亀田製菓も米どころの新潟県に本社がある。
 図に組み合わせた結果を示す。使用した柿の種はサイズがなるべく均一のものを選択した。これをみれば、柿の種9つでほぼ真円に近づくことが分かる。すなわち、9角形で円になるということは、

360/9 = 40

となり、40度の扇形の円弧に相当するカーブが柿の種にはあることになる。
 今回使用した柿の種は「元祖 柿の種」ではなく

DSCF0029-2

図 柿の種の組み合わせ

「亀田 柿の種」ではあったが、この40度の円弧のカーブに氏の先見の明が潜んでいた可能性が示唆された。

1) http://www.amazon.com/Kameda-Kakinotane-6PK-Original-5-3-Ounce/dp/B007Y26JRU (閲覧2015.12.5)
2) http://www.naniwayaseika.co.jp/kakinotane/ (閲覧2015.12.5)
3) http://www.kamedaseika.co.jp/index.html (閲覧2015.12.5)



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