題名:スリランカカリーとインドカリーの違い
報告者:トシ
カリーの本場は間違いなくインドであろう。カレーが発明された年代は不明とされるが、カレーに使われているスパイスのうちインド原産のものが多いことからも頷ける(報告書のNo.85も参照)。また、TV番組での現地における食卓でのカレーの頻度の調査においても、「インド人は、いつもほとんどカレー!」1)との結論から、インド以上のカレー王国はないであろう。しかしながら、国は違えども同じくカレーを常食とする国がある。それがスリランカである。ここでインドとスリランカの位置関係を図に示すと、インドの南端のインド洋に浮かぶ島がスリランカとなり、インドと非常に近い位置関係にある。ちなみに、その国土面積は約65,600平方キロで、北海道よりやや小さいとされる3)。さらに、インドと違いヒンズー教徒よりも、仏教徒が多い。
図 スリランカとインドとの位置関係2)
インドと非常に近い位置関係にあるため、インドカレーもスリランカカレーもほとんど同じに違いないと一見思われる。しかしながら、実際はそうではないらしい。大阪の最新カレー事情によれば、スリランカカレーの専門店も存在し、明らかにインドカレーと分別化がなされている4)。こと味に関しては、比較的、南部のインドカレーとスリランカカレーは似ているとされるが5)、スリランカカリーの特徴は、①ココナッツミルクを多用する、②魚を多用する、ことにある5)。同じ島国である日本も、海岸線の地域を中心として特に魚介類の料理が多く好まれているが、スリランカでも同じようにチキンよりフィッシュのカレーの方がより親しまれているらしい5)。また、そのほかの特徴として、③油を多用しない、④野菜たっぷりでヘルシーであり、この辺はこってりした北部のインドカリーと違い、南部のインドカレーの特徴に近いようである5)。このことから、スリランカカリーは、南部インドカリーの特徴をベースに、島国の良さを併せ持った独自のカリーに進化したことが分かる。ただし、カレーの本場であるインドに準じて、辛さも相当なようである。スリランカカレーを専門に扱う浜松市のLaLaカレー店6)では、デビルカレーというネーミングも持つスリランカカレーを扱っているが、そのネーミングがすでに辛さのデビル級を表している。筆者の個人の好みとしては、LaLaカレー店の商品の中でも、やはりスリランカカレーの特徴②を踏まえて、魚介を中心とするデビルシーフードミックスカレーになるであろうが、その他にも”スリランカ人も吃驚”の激辛スープカレーも扱っているようである。これは相当辛いのであろうか? 興味が尽きないスリランカカレーである。
1) http://www.ntv.co.jp/q/oa/20080302/01.html (閲覧2016.12.9)
2) http://travel.rakuten.co.jp/kaigai/south_asia/ (閲覧2016.12.9)
3) http://www.geocities.jp/hosei_exploration/aboutsrilanka.htm (閲覧2016.12.9)
4) http://ure.pia.co.jp/articles/-/55954 (閲覧2016.12.9)
5) http://tokoya-travel.info/srilanka/sl-localfood/curry-2/ (閲覧2016.12.9)
6) http://lalacurry.com/ (閲覧2016.12.9)