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題名:四畳半における畳の並べ方
報告者:トシ

 四畳半はとても居心地のいいスペースである。そのため、これを扱った作品も少なくない。その始祖は、松本零士氏による「元祖大四畳半大物語」になろうか。また、これの後に続く氏のヒット作でもある「男おいどん」で、四畳半の醍醐味が世に広まったことは、ある年代以上の人であれば、よく分かるであろう。また、氏は「銀河鉄道999」、「宇宙戦艦ヤマト」にもあるようにSF作品を非常に得意とする。そのため、四畳半+SFの作品もあり、それが「大純情くん」である。多くの氏の作品の中では、それほど有名ではないが、実は隠れたとても面白い作品である。四畳半+SFという普通はなかなか思いつかない発想ではあるが、その発想を遺憾なく発揮し、「男おいどん」+「銀河鉄道999」的な要素があり、筆者は、藤子・F・不二夫氏の「ドラえもん」に匹敵するぐらいに、この作品は偉大であると考えている。また、この作品により、筆者は、漫画家を目指そうとしたため、思い入れも強い。そのため、四畳半には今でも大いなるあこがれがある。
 その四畳半であるが、実は畳の並べ方には、難しい要素がある。半畳を真ん中に置くと下図のように2通りとなる。この並べ方で右側は特に問題ないが、左側は切腹の間と言われ、建築上ではよくない並べ方である1)。また、左側は左回転、右側は右回転として見なせる。その回転からイメージするものとして、お寺のマンジマークやナチス

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図 四畳半における半畳を真ん中に置く並べ方と半畳を左上に置く並べ方

のハーゲンクロイツが挙げられるが、お寺のマンジは右回転で、ナチスのハーゲンクロイツは右回転であった2)。その点に矛盾が生じる。しかしながら、お寺のマンジの回転とこの並べ方は、何やら関係が深そうではあったが、確証は得られなかった。ただし、少なくとも日本でのこの並べ方は、お勧めできないであろう。その他、左上に半畳を置くと、上図の4通りの並べ方となる。そのため、全部で6通りの並べ方が存在する。このようにしてみると、四畳半の並べ方には、数学的な面白さも感じられる。ちなみに、ショの受託研究員であるベロベッロ氏の部屋は、上図の左から3番目であった。

1) http://ruri.crara.cc/archives/5430/ (閲覧2016.3.1)
2) http://matome.naver.jp/odai/2140261187546369101 (閲覧2016.3.1)



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