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題名:ちゃぶ台の過去から、未来のちゃぶ台へ
報告者:ナンカイン

 ちゃぶ台は英語ではCoffee Tableという1)。ただし、ちゃぶ台 = CoffeeのTable ? となる人も少なくはないであろう。すなわち、ちゃぶ台には日本人の古くからのイメージがあり、ただのCoffeeのTableではないということを知っているからである。ここで、この報告書を年配の人が読んでいるならば、ちゃぶ台というとTVアニメの「巨人の星」を浮かべる人が多いかもしれない。「巨人の星」の主人公の星遊馬が、父の星一徹に怒りに触れ、一徹が丸いちゃぶ台を上に乗っているご飯類の茶碗ごとちゃぶ台をひっくり返すシーンが特に有名である2)。このシーンの象徴されるように、ここが、日本におけるちゃぶ台 = CoffeeのTable ? となる決定的な要因である。逆に、そのシーンが印象に残り、ちゃぶ台 = 丸い と思い込んでいる人も多いかもしれない。あるいは、「巨人の星」のエンディングでは四角いちゃぶ台をひっくり返すシーンもあり、ちゃぶ台は丸ではないという人もいるかもしれない3)。いずれにせよ、ちゃぶ台は日本の文化に深く根ざした道具である。しかしながら、ちゃぶ台は、丸い、あるいは、四角い、といった形状はさておき、いずれにせよ「巨人の星」をイメージとして挙げるまでもなく、日本人にとってちゃぶ台は、ただのCoffeeのTableであるはずがなく、その上でご飯を食べるといった生活に密着したTableであるという認識が非常に高い。
 現在の家庭環境は西洋化されつつある。畳の部屋も少なくなり、近年の新築の家には和室すらない家も少なくない。食事に関してはダイニングテーブルなど利用する機会が増え、ちゃぶ台のイメージも知らない人が多くなっているかもしれない。その観点を歴史から検証すると、ちゃぶ台は昭和時代の名残のひとつになるであろうか4)。しかしながら、丸いTableは、ちゃぶ台に関わらずメリットもある。丸いがゆえに角がなく、各人の座る位置の空間的な隔てがなく、ひとつのテーブルを共通して利用しているという意識が芽生えやすい。座る各人にたとえ上下関係もあっても、丸さゆえに仲間意識が非常に強くなる。中華レストランなどで丸いTableが多いのは、この仲間意識を大事にしている民族性もある。先に述べたように、近年の日本では西洋化の流れが著しいため、丸いTableはダイニングだけでなく、部屋のスペースの兼ね合いもあり、丸いTableは敬遠されやすい。そこで小型の、扱いやすいちゃぶ台の開発に、未来のちゃぶ台の「価値」が生じる。
 日本のアウトドアメーカーにsnow peak社がある5)。様々な一般的なアウトドアに関する道具を開発しながらも、日本の文化に根差した日本人らしい道具をアウトドアの道具として蘇らせ、海外でも評価が高いメーカーでもある。同社のたねほおずきランプも、日本的な文化背景の基づき開発されたランプであるが、米国のアウトドアのBACKPACKER誌において「2013 EDITORS’ CHOICE AWARDS」を受賞している6)。その同社が開発したちゃぶ台に折りたたみ式のものがある7)。このちゃぶ台はアウトドアだけでなく、折りたたみのために家庭でもスペースを取らず重宝し、気軽にちゃぶ台の「価値」を味わえ、とても優れた一品である。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/卓袱台 (閲覧2015.11.21)
2) http://www.nicovideo.jp/watch/sm13107147 (閲覧2015.11.21)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/卓袱台返し (閲覧2015.11.21)
4) http://www.d-laboweb.jp/event/report/140610.html (閲覧2015.11.21)
5) http://www.snowpeak.co.jp/ (閲覧2015.11.21)
6) http://www.snowpeak.co.jp/info/second/2013award-bpec.html (閲覧2015.11.21)
7) https://store.snowpeak.co.jp/item/209 (閲覧2015.11.21)



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