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題名:水辺における内省 -Brian Eno氏からの思索-
報告者:ゴンベ

 本報告書は、基本的にNo.905の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 報告書のNo.904では、Haux (Woodson Black氏)の曲「Seaside」にて、報告書のNo.905では、David Sylvian氏の曲「Wave」にて、水辺における内省を試みた。ここでは、報告書のNo.674でも示したBrian Eno氏からの曲によって、それを試みたい。
 興味のない人にとってはあまり有名でないかもしれないBrian Eno氏であるが、音楽界では知らない人はいないであろうぐらいの重要な人物でもある。環境音楽、あるいは、アンビエント・ミュージックというジャンルを創り上げた人物でもあり、プロデュースされたアーチストに対しても多大な影響を及ぼす人物でもある。古くはロキシー・ミュージックという、こちらもロック界では有名なバンドであるが、そこに在籍していた経緯があり、そこ去った後に、ソロ活動や様々なロックアーチストのプロデュースを手掛けた。彼との共同作業者のリスト例を示すと、デヴィッド・ボウイ、コールドプレイ、トーキング・ヘッズを始め、ディーヴォ、U2と音楽の流れを変えたアーチストが多いことに気づく1)。さらに、本名は、Brian Peter George St. Jean le Baptiste de la Salle Eno1)といい、こちらも凄い。なお、Brian Eno氏は報告書のNo.905で示したRobert Fripp氏とも親交があり、不思議と両者とも音楽家と言うよりも、哲学者のような出で立ちでもある。
 そのBrian Eno氏であるが、ソロ活動に転じた後に、ロックとポップ、あるいはその後のアンビエントへとまたがるようなアプローチも少なくない。その中でも、アルバム「Before & After Science」は、かつての音楽媒体であるLPレコードでいうところのA面とB面で表情が随分と異なり、それがBefore & Afterの意味するところかもしれないが、このB面に相当する曲に水辺に関する曲「By This River」があり、ロック、ポップ、アンビエントともいえない妙な魅力を放つ曲でもある。この曲に関わったのはEno氏だけではなく、Hans-Joachim Roedelius氏、Dieter Moebius氏といったドイツの実験的な音楽界のメンバーも参加しているからなのであろうか。Youtubeにその雰囲気を画像(図)2)や動画3)で示したものもあるので、興味のある方はそちらを聞いていただきたい。ちなみに、この曲はナンニ・モレッティ監督による映画「息子の部屋」の挿入歌ともなっているので、映画に詳しい方はそちらの方ですでに知っているかもしれない。歌詞の対訳は、文献5)にもあるので、そちらを見て頂ければと思うが、難解な歌詞と妙な魅力の曲調は、川辺のほとりでの禅問答のような雰囲気をもかもしだしている。

図 川辺のほとり4)

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/ブライアン・イーノ (閲覧2018.9.3)
2) https://www.youtube.com/watch?v=hPyGkojz7pE (閲覧2018.9.3)
3) https://www.youtube.com/watch?v=w2WURHY3D4A (閲覧2018.9.3)
4) https://depoisquetudoaconteceu.wordpress.com/2012/12/04/frase-da-semana-nicholas-sparks/tumblr_mdbskaog831rogpvao1_500/ (閲覧2018.9.3)
5) http://hollippertronics.blog24.fc2.com/blog-entry-198.html (閲覧2018.9.3)



…「Before & After Science」の品への案内は、こちらになります。


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