題名:宇宙からのメッセージを読み解く
報告者:ダレナン
生きる上で様々なメッセージが送られる。それは、路上の物体であったり、お店の看板であったり、あるいは、とある人からの会話だったりする。しかしながら、メッセージには送信があるとともに、受信があるからこそメッセージとして成り立つ。多くの個所から、あるいは、宇宙全体からの何かしらの送信があったとしても、そのメッセージを受信する側に機能がなければ、メッセージはないものと同義となる。そこで、この受信の能力を上げることが、様々なメッセージを読み解くことができる唯一の方法でもある。
禅における書画に円相がある。これもメッセージでもある。円相を図示すると、図のようになる。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画「メッセージ」でも象徴的なシーンとして円相が出てくるが、これは宇宙船に乗っていたヘプタポッドと呼ばれる知的生命体からのメッセージでもあり、それは実際に円相にヒントを得ていることも知られている2)。図は仙厓義梵による円相図で、仙厓義梵は江戸時代の臨済宗古月派の禅僧で画家でもあった人物でもある3)。禅の系譜をなぞると、中国禅宗の開祖とされているインド人仏教僧であった菩提達磨からめぐることとなり、話が長くなるために、ここ以外で改めて脱稿したいものの、少なくとも禅において円は、空、風、火、地を含んだ世界全体を表し、悟りの境地を説明し、
図 仙厓義梵による円相図1)
見た人の心を映し出す真理の象徴でもある1)。さらに、これは見る者自身の”己の心をうつす窓”とも言われ、円窓とも呼ばれることもある2)。ただし、受信する側にこの円相に関する機能(己?、知識?、柔軟性?)がなければ、見る人にとってはこれはただの円にすぎない。
さらに、映画「メッセージ」の宇宙船の形状は、株式会社栗山米菓のお菓子の「ばかうけ」4)にヒントを得ている。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督もそれを認めている5)。監督自身がそう断言している動画6)にもめっちゃうけるも、宇宙船の形状を本当に「ばかうけ」からヒントにしたかはどうかは別として、監督に「ばかうけ」のメッセージが読み解かれた証でもある。このようにして、”己の心をうつす窓”をいつもオープンにすることが、メッセージを受信する側の機能を上げる。そのいい例をドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は端的に示している。
1) https://intojapanwaraku.com/art/20161024/5890/p3 (閲覧2018.4.15)
2) https://cinemarche.net/sf/message-movie/ (閲覧2018.4.15)
3) https://ja.wikipedia.org/wiki/仙がい義梵 (閲覧2018.4.15)
4) http://www.befco.jp/bakauke/ (閲覧2018.4.15)
5) https://musicalstarza.com/message/ (閲覧2018.4.15)
6) https://www.youtube.com/watch?time_continue=24&v=Rq1RuWIoQbc (閲覧2018.4.15)