題名:AndroidタブレットからBluetoothキーボードを用いての報告書作成の実験
報告者:ナンカイン
はじめに
一般的にWordで文章を入力する場合、WindowsをOSとしてMicrosoftのOfficeで実施することがほとんどである。官公庁などでは経費削減を目的として、無料のOSであるUbuntuなどを用いて、OpenOfficeやLibra Officeなども使う試みがなされた1)。しかしながら、結局はWindows OSでMicrosoftのOfficeに戻ることがほとんどで、導入コスト以上に変更コストがかかり、徒労に終わることが多い。先の文献1)でも報告されているように、完全に移行するには難しい。使い勝手の違いもあるが、互換性などの問題も未だ皆無ではない。そのため、公的な文章や表計算はこの先もMicrosoft Officeの地位は揺らぎはしない。
一方、スマートフォン(スマホ)の普及率は非常に早く、報告書のNo.373にも記載したように、今現在スマホはパーソナルコンピュター(PC)と利用率が逆転した。さらに、文献2)にもあるように、スマホ普及率を年代での集計から見ると、10代のスマホ普及率は2013年7月の67.3%から94.0%となり、60代では2013年7月にわずか17.9%だったスマホ普及率が47.0%になった。このことから、今後PCの利用者は実務以外に限定されることは間違いない。しかしながら、この時代の流れを無視して、実務のみWindows、それ以外はiPhoneやAndroidというのはあまりにも効率が悪い。なんとか実務もiPhoneやAndroidでも実施できれば、多様性の観点から好ましい。現在、iPhoneやAndroidでもその環境が整いつつあり、Microsoftも正規のOfficeのアプリをスマホに提供している。そこで、本報告書では、それを応用して、Androidタブレットから報告書作成を実施し、文字入力としてBluetoothキーボードを用いて実験した。
方法
以下の機器およびアプリケーション(アプリ)を使用した。Androidタブレット:ASUS ZenPad 3 8.0、Bluetoothキーボード:IVSO Z581KLケース 専用Bluetoothワイヤレスキーボード、アプリ:Kingsoft WPS Office、である。まずDropbox上のWordをWPS Officeにて開き、BluetoothキーボードがUSキーボードであるために、アプリのGoogle Japanese Inputのハードウェアキーボードの設定を日本語109A配列とした上で実験した。
結果
ここに示した報告書である(PDFに変換前のDOCとして)。
考察
使い始めは日本語入力やフォントの修正、添字、リンクなどの扱いに困ることはあった。そのため、実質これをWindowsのOfficeでしたと仮定した場合と感覚的に比較すると、1.2〜1.4倍ぐらいの労力や時間数が必要であると感じた。しかしながら、使い込むことによって、限りなく1.0に近くなる感覚は得られ、AndroidタブレットでもWordを作成する実務に耐えうる能力があることが示唆された。
1) http://www.nikkeibp.co.jp/article/news/20130904/363855/?rt=nocnt (閲覧2017.3.29)
2) https://marketing-rc.com/article/20160731.html (閲覧2017.3.29)