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題名:シフォンケーキ作りにおける型の素材の違いがケーキの膨らみに与える影響
報告者:エコノ

 シフォンケーキは、アメリカの料理愛好家でもあったハリー・ベーカー氏によって考案された1)。その考案された当時、レシピが謎とされていた1)。たぶんにその謎の由来は、どうしてシフォンケーキはこれほど膨らむのか、といったことであったに違いない。シフォンケーキを一度でも作ったことがある方ならばわかるであろうが、オーブン内でそのどんどんと膨らむ様に、こころもどんどんと膨らむことは、よく理解できるはずである。ゆえに、できあがったケーキもふわふわである。結局、その謎は、「生地に植物油(サラダ油)を加える」という今では単純な仕掛けではあったが、その発明によってベーカー氏は当時の日本円で1億とも2億とも言われる金額を得て、悠々自適の生活を送った1)。なんともうらやましい限りである。
 一方、そのシフォンケーキも今では専門書、例えば、なかしましほ氏による「まいにち食べたい“ごはんのような”シフォンケーキの本」があるように、シフォンケーキそのものを作る愛好家も多くなったに違いない。この裏には、他のケーキであれば、仕上げなどにやや時間を要する。しかしながら、シフォンケーキは基本的にまぜて焼くだけでケーキとして完了する。この手間のなさが今の時短の時代には非常に即しているケーキとも言える。そのベーカー氏による正式なシフォンケーキの作り方は、NHK「グレーテルのかまど」にて「ハリーの謎のシフォンケーキ」として公開され、そのpdfもダウンロードできる。興味のある方は、文献2)を参照していただきたいが、基本的にまぜて焼くだけの大まかな工程で成り立ち、上にかけているグレイズはなくても出来あいの生クリームなどで幾らでも代用することもできる。このことから、子供のケーキ作りとしてもピッタリであり、材料や分量さえを守れば、失敗も少ない。ただし、やはり膨らみだけはいつも気になる。
 ここでふと気づく。その膨らみは何もケーキ作りの工程だけによるものではなかった。実は膨らみのコツには、シフォンケーキの型が持つ素材も大事なことが判明した。
 シフォンケーキの型は通常の市販されているものの素材として、大まかに分けて2つある。一つは鉄製であり、もう一つはアルミ製である。さらに、この鉄とアルミを素材として、ケーキの生地が極力壁面にくっつくの防ぐために特殊加工されており、鉄製ではテフロン加工、アルミ製ではアルマイト加工となる。これによって、シフォンケーキの型は、①鉄製テフロン加工、②アルミアルマイト加工の2つとなる。その違いが膨らみに与える影響として調べると、文献3)で結果が示されていた。膨らむ方は、明らかに②、のようであった。図の大物じーちゃんに魅かれてここまで調べてみたものの、この型の素材の違いは、今までシフォンケーキ作りの盲点であった。

図 元祖 大物じーちゃんのアルミシフォンケーキ型4)

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/シフォンケーキ (閲覧2017.8.2)
2) https://web.archive.org/web/20140422200028/http://www.nhk.or.jp:80/kamado/recipe/129.pdf (閲覧2017.8.2)
3) https://www.youtube.com/watch?v=ugRjMBTYLwA (閲覧2017.8.2)
4) https://www.amazon.co.jp/ドリーミングキャット-A1-17-17-プロ仕様-元祖/dp/B00IJ5VJYE (閲覧2017.8.2)



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