.

題名:「二つで十分ですよ」は少なくとも三つ存在した
報告者:ログ

 本報告書は、基本的にNo.15の続きであることを、ここで前もってことわりたい。

 報告書のNo.15にて、「二つで十分ですよ」というセリフについて回答した。そのセリフは、リドリー・スコット監督による1982年の映画「ブレードランナー」の一場面であり、映画「ブレードランナー」が好きな人なら、そのほとんどの人が良く知っているセリフである。そのセリフが出てくるのは、映画の主人公リック・デッカードを演じるハリソン・フォードと、日本食らしき店の店主を演じるロバート・オカザキと交わす会話の一場面である。長らくこのセリフに関して様々な解釈がなされていたものの、No.15を参照していただければ、その回答が理解できる。ここでは、二つではなく、三つ存在した何かについて述べたい。
 先のリドリー・スコット監督による映画「ブレードランナー」の舞台は、2019年11月のロサンゼルスにおいてである。映画の冒頭をかいつまむと、「21世紀の初め、アメリカのタイレル社は 人間そっくりのネクサス型ロボットを開発 それらは”レプリカント”と呼ばれた … ある時反乱を起こして人間の敵に回った 地球に戻ったレプリカントを処分するために ブレードランナー特捜班が組織された」である。
 そして、今また、2049年を舞台に続編が作られた。映画「ブレードランナー2049」がそれである。監督はリドリー・スコットではなく、謎の知的生命体と意思の疎通をはかる映画である「メッセージ」のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督であるが、リドリー・スコットも製作総指揮として参加している。
 もうすぐ日本でも公開となる映画「ブレードランナー2049」(図)であるが、アメリカでは今日付けでの公開となるために、それを見た人のメッセージも文献1)にある。それによると、「映画の出来栄えに感心した … 続編のインパクトはオリジナルには及ばないだろう」とされる。1982年の映画「ブレードランナー」があまりにも偉大な存在となったために、致し方ないかもしれない。しかしながら、1982年の「ブレードランナー」も公開当時は酷評であったことは、これまた多くの人が知っている事実である。そのため、映画「ブレードランナー2049」に対する期待というよりも、「ブレードランナー」の続編が作られたこと自体に感慨深い。さらに、それ以上に、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督でよかった点は、「ブレードランナー」の世界観を大事にするために、2022年、2036年、2048年と三つのブレードランナーを作成依頼している。これが表題の「「二つで十分ですよ」は(その後)少なくとも三つ存在した」になる。
 一つ目は、渡辺信一郎監督による「ブレードランナー ブラックアウト 2022」2)、二つ目は、リドリー・スコットの息子、ルーク・スコット監督による「2036:ネクサス・ドーン」3)、三つめは、同じくルーク・スコット監督による「2048:ノーウェア・トゥ・ラン」4)である。少なくとも三つともとても素晴らしい、と今日付けでここに明記したい。

図 ブレードランナー2049の一場面5)

1) http://jp.techcrunch.com/2017/10/06/20171005blade-runner-2049-doesnt-quite-match-the-original-but-thats-okay/ (閲覧2017.10.6)
2) https://www.youtube.com/watch?v=MKFREpMeao0 (閲覧2017.10.6)
3) https://www.youtube.com/watch?v=R2tfByG88HQ (閲覧2017.10.6)
4) https://www.youtube.com/watch?v=ELH4Zkvt9-U (閲覧2017.10.6)
5) https://www.vox.com/2017/10/3/16403178/blade-runner-2049-review-bible-gosling-villeneuve-spoilers (閲覧2017.10.6)



…「メッセージ」の品への案内は、こちらになります。


地底たる謎の研究室のサイトでも、テキスト版をご確認いただけます。ここをクリックすると記事の題名でサイト内を容易に検索できます。