題名:人生を惑わす3つの罠
報告者:ダレナン
ヒトの欲望は限りなく、その限りない欲望に基づいて、人がヒトたる地位を築いた。その人の欲望には、大きく3つあることは、No.36で示した通りである。その3つとは、食欲、性欲、睡眠欲である。人が何もない、他の動物の狩りの対象となっていたはるか太古の時代では1)、この3つの欲求を満たすべく、当時のヒトは奮闘していたであろう。しかしながら、現在は、食欲はスーパー、コンビニ、あるいはレストランなどでも十分満たすことができるようになり、食欲を満たす際には狩りをするなどの苦労はしなくてもよくなった。さらに、家が経ち、外敵から安全が保障されると、夜の寝床も安全に過ごせるようになり、睡眠欲も満たしやすくなった(ただし、眠れないなどの状況はここでは考えないこととする)。また、よく食べることができる、あるいは、よく眠ることができる対価として、お金や仕事が必要とされ、食欲や睡眠欲はお金や仕事によってもたらされるように変化したとも言える。一方、性欲は風俗などの特殊な環境でお金を持って満たすことができるが、多くの一般で捉えると、恋愛においてそれが達成させることができる。恋愛 = 性ではない場合もあるが、恋愛の原動力には性欲的な要求がベースにあることは否定できないはずである。これらの観点から現在の人の欲望の対価を図示すると、図1のようになるであろう。これを見ると、人の3大欲望は根底にありつつも、社会的な変化から、人の生活において恋愛、お金、仕事の3つに人の欲望が内包されたと言えよう。さらに、この3つをうまく成すべく、現代では知識欲が大きく囲むようになった。恋愛にしろ、お金にしろ、仕事にしろ、それをうまく過ごす知識があれば、人の社会において人として成就できる。しかしながら、この3つをうまく生かすべく知識がなければ、この3つは人生を惑わす罠ともなる。
図1 現在の人の欲望の対価
ここで、もう一度この図1をよく見てもらうと、そこには何やらキャラクターが浮かびそうである。そう、言わずと知れたアンパンマンである。図2に「あんぱんまん」を示す。
人にはあらゆる欲望があり、自分を中心にそれを考えてしまうことも多い。しかしながら、知識欲を中心に、アンパンマンの顔がかじられるが如く、人にいろいろな知識を与えることが、人生の3つの罠に変に陥らずにすむことになりうることをも示している。「あんぱんまん」の作者であるやなせたかし氏は、とても苦労した人であるが、その知識を人に与え続けた
図2 「あんぱんまん」2)
結果、あらゆる子供に愛されるキャラクターを生み出したことは、誰もが知っている事実である。
1) ハート, D. サスマン, RW: ヒトは食べられて進化した. 化学同人. 2007.
2) http://baby-present.jp/20151116-2 (閲覧2016.2.18)