題名:西欧社会における赤毛の秘密
報告者:アダム&ナッシュ
一般的に日本人の髪の毛の色は黒である。やや褐色がかった人もいるが、基本的なベース色は黒である。しかしながら、世界の人々の髪の毛の色は、黒色だけでなく、褐色、茶色、金色、赤色がある。
その赤色の髪の毛に関して多くの日本の人がイメージするのは、「赤毛のアン」になるであろう。「赤毛のアン」はカナダの作家のルーシー・モード・モンゴメリ氏による1908年に発表された小説で、原題は「Anne of Green Gables」となる1)。その「Anne of Green Gables」の魅力は、ひとえに家庭小説、学校小説や青春小説と呼ばれる多義に渡る内容を含むことであり2)、これらは、人が成長する上で欠かせない要素でもある。近年は当地カナダでもこの「Anne of Green Gables」が再評価されつつある2)。しかしながら、この「Anne of Green Gables」をあえて「赤毛のアン」という日本題にしたのは、翻訳家・文学者の村岡花子氏によるが、その題にしたことが、その後の日本でのアンを通した赤毛の人の印象を確定することにもなった。この村岡花子氏の翻訳によるアンの印象や、あるいは、高畑勲監督・脚本による「赤毛のアン~グリーンゲーブルズへの道~」や古くは一連のTVアニメの放映から、日本での赤毛の人に対するイメージはそれほど悪くはない。むしろ、アンに憧れる人は、赤毛に好印象を抱いていることであろう。しかしながら、西欧社会では、この赤毛はあまりよい印象を持たれてはいなかったようである。
赤毛に対する西欧社会の印象は、旧約聖書に登場するアダムとイヴの息子たちのカインとアベルの時代にまで遡れる。人類最初の殺人とされているカインのアベル殺しにおいて、このカインは赤毛であったとされ、また、世界で最も有名な裏切り者であるユダも赤毛であったとされている3)。そのことから西欧社会の特にキリスト教圏では赤毛は悪というイメージが根強く、欧米では差別の対象になりやすかった3)。しかしながら、日本では先の村岡花子氏による「赤毛のアン」などの功績もあって、赤毛の人には好印象であるのは間違いない。
一方、ルーシー・モード・モンゴメリ氏が「赤毛のアン」を執筆する際に一人のモデルさんをヒントにしたとも言われている3)。アメリカのモデルさんであったイリーナ・ギャメルさんであるが2)、彼女がどのような赤毛であったのかは分からない。現代のモデルさんでも赤毛の人も何人か拝見されるが、その中でも最も輝いているのはスーザン・コフィーさんであろうか(図)。2011年の世界で最も美しい顔100人の一人にも選ばれている。図を見ても、その様子がよく理解できる。
図 スーザン・コフィーさんの写真4)
1) https://ja.wikipedia.org/wiki/赤毛のアン#cite_note-5 (閲覧2016.1.2)
2) 赤松佳子: 刊行百周年を機に読みなおす『赤毛のアン』. 奈良女子大学文学部研究教育年報, 2009.
3) http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/55282/blogkey/402910/ (閲覧2016.1.2)
4) http://wall.alphacoders.com/big.php?i=360098 (閲覧2016.1.2)