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題名:マスカレードな夜
報告者:ダレナン

 ヨーロッパのとある国の王様であるシャトンジーネ公爵は、執事のヒーロンボに対してこう言った。

「わしはあまり男前でない。いつも舞踏会では、
(王様、今日も素敵ですね。)
と表向きには言ってくれるが、陰ではわしの顔を見てクスクスと笑っていることを知っておる。そこでじゃ。今夜の舞踏会では、このわしを男前に見せる何かいい方法がないかと思案しておるのじゃが、ヒーロンボ殿。そなたに何かいい案があるか教えてくれぬか。」

ヒーロンボは考えた。そして一つの案を王様に提示した。

「煌びやかで、美しいお洋服などをお召しになってはいかがでしょうか?」

「ふーむ。それは以前やったような。その時、顔との不一致から、いつも以上に笑われていたような…。」

「なるほど…。そうでしたか…。では、舞踏会に参加する皆が、目隠しをしてはいかがでしょうか。そうすれば、顔も服も関係ありませんが…。」

「おっ、いい案じゃな。ただし、目の前が見えないと不便じゃ。…、そうだ、目の部分に穴をあけた目隠しだったらよいと思うのじゃが、ヒーロンボ殿。それでどうじゃろか?」

「王様。とてもいい案ですね。それでは、早速、目の部分に穴のあいた目隠しを沢山準備します。それと、王様には内緒にしていましたが、今宵の舞踏会には、めずらしいとびっきりの料理も準備させていただきます。」

「それは、有りがたい。穴のあいた目隠しにとびっきりの料理。今宵の舞踏会は大盛り上がりじゃな。実に、楽しみだわい。」

そうして、舞踏会が始まった。穴のあいた目隠しをすることで、王様も陰で笑われることなく、テーブルに並んだめずらしいとびっきりの料理で皆も喜んだ。その料理は、今でいえば角切り牛肉の入った欧風カレーであった。カレーの美味しそうな匂いがそこいらじゅうに充満していた。そして、穴のあいた目隠しをしていても、皆の目の奥が、その料理を食べたくて仕方がない輝きに満ち溢れ、お腹もグーグーとなっていた。そのため、今宵の舞踏会は、いつもよりも食欲が増し、お腹のカレー度合いもピークとなっていた。

「よし、皆のもの、料理を食べるぞ。」

そうして、穴のあいた目隠しによる”増すカレー度”の夜は更けていった。



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