題名:画像と動画の中間に位置するシネマグラフについて
報告者:アダム&ナッシュ
一般的に、市販のカメラやスマートフォン(スマホ)で撮影する方法に、写真とビデオがある。前者は撮影された後は画像となり、後者は動画となる。このような撮影形態から、Web上に投稿されるコンテンツも、主に画像か動画がメインとなる。しかしながら、その一方で、その両方を合わせたようなコンテンツも近年よく散見される。それが、表題に示したシネマグラフである。端的にこのシネマグラフを説明すれば、一見して画像であるものの、その画像の一部が繰り返しの動画として現れ、画像なのに動画的な表現を部分に持つコンテンツである。
図にシネマグラフの例を示す。ここでは媒体がpdfであるために、印刷するとただの紙媒体となる。そのため、図の繰り返しの動画の部分が見ることができない。その様子を見るには本報告書のテキスト版をぜひ見ていただきたい。男性の手が微妙に動き、女性の口紅を塗っていることが確認できるはずである。文献1)にはこの図以外の例もあるため、そちらでもシネマグラフの様々な面白さが確認できるであろう。
図 シネマグラフの一例1)
このシネマグラフの考案者は、文献2)にもあるように、ケビン・バーグ氏とジェイミー・ベック氏の2人による。2011年にそれを発明し、デジタル時代の新しいトレンドを呼び起こしたとされる2)。図の一例を見ても分かるように、一見して画像である。しかしながら、ある部分で連続した動きが確認出来る。始めは、何これ、となる。そのうちに、面白いなぁー、と感嘆することに気づく。その自らの変化の様子から、あきらかに単なる写真でもなく、ビデオでもなく、これがシネマグラフなのだ、となる。まさに、Webを中心とするデジタル時代の新しいコンテンツといえるであろう。
文献2)によるシネマグラフの特徴を示すと、シネマグラフは、静止画としての生きる瞬間を持つだけでなく、写真とビデオの間に世界に存在し、イメージを生き生きとして永遠に残す、とされる。まさに、表題にも示したように、画像と動画の中間に位置するのである。それが非常に面白い。よくよく考えると、画像なのに、動画である面白さは、脳内でも今までにない奇妙な現象として認識される。その違和感が、シネマグラフのよさでもあろう。ケビン・バーグ氏とジェイミー・ベック氏によるシネマグラフのHP3)でも、考案者ならではの粋な作例を閲覧することができるので、こちらもぜひ参照していただきたい。
シネマグラフの作り方については、その作成に寄与するAdobe PhotoshopのHP4)にもあるので、試してみるとよいかもしれない(例えば、Adobe Photoshop CCなどで作成できる)。筆者もその一人として手を挙げ、今後は画像や動画だけでなく、自らのコンテンツとしてシネマグラフも大いにチャレンジしたい。
1) http://www.embrulha.com/arte-em-gifs/ (閲覧2017.11.4)
2) http://cinemagraphs.com/about/ (閲覧2017.11.4)
3) http://cinemagraphs.com/ (閲覧2017.11.4)
4) https://helpx.adobe.com/jp/photoshop/how-to/create-cinemagraph.html (閲覧2017.11.4)