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題名:木の植え替えにおける根まわし術式の検討
報告者:エゲンスキー

背景
 近年、環境破壊が謳われて久しいが、その環境破壊を抑止するには、木を適宜にふさわしい場所に植え替えることが必須である。すなわち、木の呼吸作用によって、自然界における悪化した空気を除去するとともに、それを期待して環境保全を図ることとなる。その際に、必要となる知識が木の植え替えである。木の植え替えにおいて、その木が小さければ根の張りも小さく、容易に行えるものの、ある程度の大きさの木となると、地中深くまで根を下ろし、全ての根を掘り出すことは困難となる。そこで、考えられた術式が根まわし術となる。本報告書では、この根まわし術式について検討するものである。

方法
 木の根まわし術式に関する成書は多くあるが、ここでは、樹木医学会理事で、東京農業大学の濱野周泰博士による「大人の園芸 庭木 花木 果樹」1)から抜粋したい。まず、根まわしの前に行うこととして、①根鉢の大きさを考える、②上根を出す、③根鉢の大きさに掘る、がある。その後に、④下の根を切る、ここで根まわし術式が必要となる。そして、その後に、⑤根と土を掘り上げる、⑥寝巻きをする、となる。この6つの工程において、下の根を切る段階で根まわし術式が適用される。根まわし術式は、移植する前に根鉢よりも大きいところで根を切り、その内側に細根を出させることを指す1)。

結果
 根まわし術式の正式な方法を図に示す。これを見ると明らかであるが、細根に関してはハサミで切れるも、太根に関しては、その木の生命線でもあり、慎重に切る必要がある。準備として、根のまわりの皮を筒状に剥離し、その後に切断することが必要となる。

考察
 本報告書では、木の植え替えにおける根まわし術式について検討した。根まわし、あるいは、木の植え替えは木にとっては大手術に相当する1)。さらに、非常に体力(勢い)も消耗することから1)、慎重に行うことが大事である。

図 根まわし術式1)

それ以上に、根まわし後は半年経たないと細根は出ない1)。それを見越して植え替えの半年前には根まわしを行うことが必要とされる1)。

1) 濱野周泰(監修): 大人の園芸 庭木 花木 果樹. 小学館. 2006.



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