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題名:「思春期に少年から大人に変わる~」の背景
報告者:ゴンベ

 表題ですでにピンとくる方も多いと思われるが、「思春期に少年から大人に変わる~」はシンガーの徳永英明氏の代表曲の名フレーズでもある。氏のややハスキーで、ハイトーンな歌声と絶妙にマッチしたフレーズであり、このフレーズに感慨深い思いを抱いている人も多いかと思われる。
 このフレーズを持つ曲の名は、「壊れかけのRadio」である1)。徳永英明氏の10枚目のシングルで、かつ、作詞や作曲も氏自身によるものである1)。この曲がリリースされたのは、1990年の7月7日であることから1)、徳永英明氏の29歳の時の曲となる2)。さらに、文献2)にもあるように、この曲は当時、ヒット曲を生み出す重圧に悩んでいた氏が、中学生の頃に純粋に音楽と向き合っていた頃の自分を思い出し、書き上げたこともあって、氏自身も思い入れが深いに違いない。Youtube3)にもあるので、知らない方(いないかもしれないが)は確認していただけたらと思う。
 この曲の解釈については、様々な意見があるが、非常に納得がいく解釈のひとつとして、

今は都会で暮らしている。田舎にいたときからここにくるまでずっとこのRadioが一緒だった。そこから流れてくる歌に励まされ勇気づけられ大人になった。でも今は都会で疲れてしまって、幸せだったあの頃の純粋な気持ちを、同じ時を歩いてきたこのラジオに思い出させてほしい3)。

になるであろうか。
 思春期は多くの人にとって、通過儀礼となる。それは、人生の時間において、成長とともに経なければいけない事象であり、人としての成熟でもある(報告書のNo.523も参照)。Radioとともに歩んできた人生感を振り払いつつも、大人となる手前で完全に払いきれない不安定な状況でもって、”本当の幸せを教えてよ。壊れかけのRadio”と、氏は問いかける。それは、まさに、壊れかけているのはRadioだけではなく、歌い手の心をも意味している5)。
 新世紀エヴァンゲリオンの主人公である碇シンジのセリフに、図のような有名なセリフがある。同じように「思春期に少年から大人に変わる~」過程には、「逃げちゃ駄目だ。」と分かりつつも、逃げると何

図 碇シンジのセリフ6)

かが壊れる。それはRadioだけでなく、シンジの載る初号機の覚醒も同じ現象であろうか。
 壊れると思春期の心は、もはや元には戻らない。貴重な繊細さを失い、繊細さを装っても妙な図太い階段を上っている。変わりたくはない。でも変わらないと、寂しいことに人は生きてはゆけない。

1) https://ja.wikipedia.org/wiki/壊れかけのRadio (閲覧2017.9.14)
2) https://ja.wikipedia.org/wiki/徳永英明 (閲覧2017.9.14)
3) https://www.youtube.com/watch?v=MT_wFx9mLhM (閲覧2017.9.14)
4) https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1417672924 (閲覧2017.9.14)
5) http://sanjigenkashi.blog.fc2.com/blog-entry-204.html (閲覧2017.9.14)
6) http://happy1018.com/archives/1811 (閲覧2017.9.14)



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