題名:スティーブ・ジョブズ氏には一生にしても成れず
報告者:ナンカイン
ここであえて報告するまでもないが、Apple社の設立者であり、アメリカの実業家でもあったスティーブ・ジョブズ氏は2011年10月5日に56歳という若さで亡くなった。原因は膵癌である。56歳の若さといえども、その人生を駆け抜けた形跡は、今世紀最大の偉業ともいえ、起業家の方で彼に憧れる人は相当数に多いに違いない。しかしながら、Oracle社のCEOであるラリー・エリクソン氏も曰く、ジョブズ氏から学ぶべき教訓はたくさんあるが、彼を自分のモデルにするのは無駄と述べているように1)、ジョブズ氏には他の起業家にはあまりないような特殊な能力が備わっている。それがよく言われる「現実歪曲フィールド」2)である。すなわち、想像もしえなかった事を周囲の人に成し遂げさせるジョブズ氏の能力のことを指して、そのように揶揄されている。このフィールドという言葉で思い出すのが、新世紀エヴァンゲリオンのA.T.フィールドであるが、そのA.T.フィールドの正体は「ヒトの持つ心の壁」であり、使徒やエヴァ、人類を含む全ての生命体が、他者を拒絶し自己の肉体や精神を保持する為に有する能力とされる3)。このA.T.フィールドにもある、他者を拒絶しと言う点が、実はジョブズ氏の生い立ちにも似ている。ジョブズ氏は誕生時点ですでに養子として引き取られる運命をもち、心に暗い影を宿して大人になっている4)。その闇は映画「スティーブ・ジョブズ」でもジョブズ氏の若き頃の子でもあり、後年に実の子として認知するようになったリサ・ニコール・ブレナンさんに向かい「僕は出来損ない」と伝えていることからも良く分かる(ちなみに1983年にApple社が製造・販売したLisaというコンピュータは、リサさんからネーミングされていたことは、映画でもあるように多くの方も知っている事実である。この辺はジョブズ氏の若き日の心の痛みをも表しているのかもしれない)。このような事実から、Apple社という理想に向かってジョブズ氏の心の重力フィールドも歪み、まさに現実離れしたAppleの理想をコアとするブラックホールをも次第に心に抱えることとなった。そのため、そのブラックホールに飲み込まれる人であれば受け入れるも、そこから脱出しようとする人に対しては、A.T.フィールドでもって跳ね返すのがジョブズ氏の手法でもある。ジョブズ氏が関わったApple社の製品としてAppleⅠ・Ⅱ、Lisa 、Macintosh、iMac、iPhoneなどがあるが、どれもジョブズ氏の心の中にあるAppleのコアが生みだしたブラックホールによる輝ける製品であることは、誰もがよく知るところではある。それゆえに、Appleを世界で最も愛していた人(Appleのブラックホールのコアに最も近づけた人)が、やはりスティーブ・ジョブズ氏ということに他ならないであろう。ただし、筆者にとってもスティーブ・ジョブズ氏と、特にMacintoshの存在感
図 スティーブ・ジョブズ氏とMacintosh5)
は、今もって素晴らしいコア(芸術)を感じさせる(図)。このコア(芸術)が、Apple(ジョブズ氏)の魅力でもある。
1) http://jp.techcrunch.com/2012/05/31/20120530want-to-be-like-steve-jobs-well-its-probably-not-going-to-happen/ (閲覧2017.6.3)
2) http://kikaku-keiei.com/blog/archives/2372.html (閲覧2017.6.3)
3) http://dic.nicovideo.jp/a/at%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89 (閲覧2017.6.3)
4) https://www.news-postseven.com/archives/20111030_67599.html (閲覧2017.6.3)
5) http://www.bitrebels.com/geek/rare-look-at-steve-jobs-from-1984/ (閲覧2017.6.3)