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題名:水滴からの心の科学
報告者:ログ

 水面に上から水を垂らすと、水滴ができる。その現象は目で見るにはあまりにも早すぎるため、肉眼では観察できない。しかしながら、ハイスピードカメラなどを用いて一秒間に何百枚といったスピードで撮影できると、その何百枚の一枚に水面に水を垂らした直後の水滴の形がよく観察できる。
 かつてはこのような水滴を撮影するハイスピードカメラは、とても個人では購入することが出来ないほどの価格であった。しかしながら、今では個人でも手が届く価格で提供されている。その一例を挙げれば、CASIO EX-100Fは高めのコンデジに相当する価格であるが、それでも十分にハイスピードカメラとしての機能を果たすことができ、最高で1秒間に1000枚もの撮影ができる。さらに上位機種の実験・分析・観察などに適したEX-100PROも販売されているので興味のある方は購入してもよいかもしれない。CASIOはこの手のカメラの先駆者でもある。

図1 水滴の形2)

そのハイスピードカメラによって撮影された水滴の形状を見てみると、図1に示すように、水滴の形がどのようになるのかが判明する(ただし、これはEX-100Fによる撮影ではない)。これを見ると、明らかに最終的な水滴は球形であることが分かる。水面に水を垂らした直後の水滴は図2に示すような形をしていると思い込みやすいが、実は球形であった。
 ここで、なぜ球形となるのかについて考察したい。水滴の形を調べる実験方法については文献3)に詳細に記載してあるが、水滴が球形となる理由については文献4)に明確な回答がある。球形となる理由は、水滴の表面に働く張

図2 水滴の思い込む形3) を反転

力が表面を小さくしようとすることによる。すなわち、三角でも、四角でもなく、あるいは、よくある図2のような水滴の形状とならなかったのは、球形が表面の面積を最小とする理想の形状であるからに他ならない。
 少なくとも地球を含めて、太陽系にある惑星や衛星のほとんどが球形(正確にはわずかに楕円)である。これも水滴と同じで、実に不思議である。地球の球形に関しては、中心から方向によって差別のない形として球形となったことが示されているが6)、水滴も同じように表面の張力を最小にしながら、結果として、中心から方向によって差別のない形を選んでいる。
 水滴も地球も差別がない形を選ぶ。しかしながら、人間の心がなかなか丸くならないのも不思議である。

1) http://casio.jp/dc/products/ex_100f/ (閲覧2017.3.29)
2) https://news.vanderbilt.edu/2013/05/16/worlds-smallest-droplets/ (閲覧2017.3.29)
3) http://clipartall.com/img/clipart-94238.html (閲覧2017.3.29)
4) http://science.wao.ne.jp/experiment/recipe.php?contents_no=51456 (閲覧2017.3.29)
5) https://www.ssc.slp.or.jp/faq/science-qa-box/qabox-physics/870.html (閲覧2017.3.29)
6) https://www.kahaku.go.jp/exhibitions/vm/resource/tenmon/space/earth/earth01.html (閲覧2017.3.29)



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