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題名:人からのパーソナルスペースに伴う余波は、第3者をも否応なしに緊張させる
報告者:アダム&ナッシュ

 人と人との間に存在する距離に関して、心理学的にいわゆるパーソナルスペースが存在する。パーソナルスペースとは、人と人との間にある目に見えない境界のことを指し、この境界に踏み込まれると、人には無意識に様々な反応がもたらされる。そのひとつに、心拍数の増加が挙げられる1)。さらにこのパーソナルスペースでは、2者間に存在する関係性も反応に対する重要な要素となる。例えば、ともに気心が知れている親子であればパーソナルスペースの侵害に伴う反応は非常に少ない。しかしながら、これが、全く見ず知らずの人による侵害、あるいは、好意・嫌悪感を抱いている人による侵害であれば、反応も著しくなる。
 野瀬出博士の論文1)にも記載されているが、このパーソナルスペースには4つの分類がある。提唱したEdward T. Hall博士2)によれば、密接距離(45cm以下)、個体距離(45~120cm)、社会距離(120~360cm)、公衆距離(360cm以上)がそれである。この分類の中でも、密接距離が2者間でも最も反応が高いと思われるが、仮に2者間がこの密接距離にある状況に居合わせた第3者も、その2者間の関係にただならぬものを感じ、第3者からしてみても、否応なしに緊張させられる。これは第3のパーソナルスペースとも言えるのかもしれない。具体的には、第3者はその当事者である2者からすれば、個体距離~社会距離の間に位置する。しかしながら、2者を飛び越えた余波(緊張)は、第3者への心理に何らかの侵害を与えていることが推定される。その一例として、図にベルリンの写真家であるHannes Caspar氏の写真を示す。とても素敵な写真であると同時に、たぶん、多くの人はこの写真を2度見、それ以上してしまうであろう。それほど第3者にも余波がある。
 先頃、2つのブラックホールが接近し、合体し、それに伴う重力波が観測された。観測された日付である2015年9月14日にちなみ、GW1509144)と名付けられた衝撃は、この先も変わらないであろう。報告書のNo.195にも示されていたが、論文の著者数からもそのことが理解できる。宇宙

図 Hannes Caspar氏の写真3)

観測の新たな一歩である。一方、恋愛においても報告書のNo.216に示されたように、今は非科学的ではあるが、何らかのブラックホール的な要素がある可能性も否定できない。同じく、図のように、AとBという2人が近づく現象を観察すると、明らかに第3者の心理に対して、その心理的な空間をも歪ませ、心理的な時間も止まるぐらいに変化させる。この図をもし2度見した方がいるとすれば、間違いなく、その人はGW161215の衝撃の余波を受けたと言えようか。

1) 野瀬出, 他: パーソナルスペースへの侵入に対する心理・生理的反応. 文京学院大学研究紀要 7:263-273, 2005.
2) Hall, ET.:The Hidden Dimension reissue. Anchor. 1990.
3) http://bluecut.deviantart.com/art/37-100549090 (閲覧2016.12.15)
4) 大橋正健, 田中貴浩(協): GW150914の衝撃. 別冊日経サイエンス 215: 10-21. 2016.



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